間瀬正辰

間瀬孫九郎正辰：赤穂義士の若き志士

間瀬正辰は、江戸時代前期、赤穂藩に仕えた武士です。1681年、赤穂藩大目付・間瀬正明の長男として生まれました。母は刈部弥次郎の娘でした。通称は孫九郎、名前の読みは「ませ まさとし」とも呼ばれたようです。

家督を継承せず、部屋住みの身分でしたが、1701年、主君・浅野長矩が吉良義央に刃傷に及んだ事件をきっかけに、人生は大きく変わります。浅野長矩の切腹、赤穂藩の改易という事態を受け、父正明と共に大石良雄に誓書を提出。主君の仇討ちを誓いました。

父と共に赤穂藩飛び領の加東郡で過ごした後、1702年には江戸へ下向。新麹町四丁目に居住しました。この時、彼は三橋小一郎と名乗っていたとされ、これは曽祖父の苗字だったようです。

そして迎えた吉良邸討ち入り。間瀬正辰は「山」の合言葉にこたえ、鳥居利右衛門正次と戦ったと伝えられています。討ち入り後、水野忠之の屋敷に預けられ、1703年2月4日、水野家家臣・小池権六の介錯で切腹しました。享年23歳。浅野長矩と同じ高輪泉岳寺に葬られ、法名は刃太及剣信士です。

創作における間瀬正辰

講談などでは、間瀬正辰は短気で喧嘩っ早い人物として描かれることが多くあります。事件前にやくざと喧嘩をして斬り殺したり、事件後には大野知房を斬殺したという逸話も存在します。また、討ち入り後の場面では、血まみれの状態で町人の子供を捕まえ、母親から泣きつかれる場面も創作で描かれています。さらに、彼の従兄である大助が泥酔して木村貞行に絡み、斬殺されるというエピソードも創作の中で語られています。これらの物語は史実とは異なる部分も多く含まれますが、間瀬正辰という人物像を際立たせる上で重要な役割を果たしています。

まとめ

間瀬正辰は、23歳という若さで討ち入りを行い、切腹という最期を遂げました。家督を継承しなかったものの、主君の仇討ちという大義に身を投じ、その生涯は多くの人の心に深く刻まれています。創作においては、史実とは異なる部分も加えられていますが、それらは彼の生涯をよりドラマチックに、そして記憶に残るものとして伝えてくれています。彼の生き様は、時代を超えて人々の関心を集め続ける赤穂浪士の物語において、重要な一端を担っていると言えるでしょう。彼の短い生涯は、忠義と勇気、そして若者の揺るぎない決意を物語っています。その生き様は、今もなお人々の心に深く響き渡っています。

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