間組爆破事件

間組爆破事件

間組爆破事件は、1975年（昭和50年）に東アジア反日武装戦線によって引き起こされた、間組（現：安藤・間）を標的とした一連の爆弾テロ事件の総称です。これは、連続企業爆破事件の一つとして知られています。

事件の背景

標的となった間組は、「ダムのハザマ」として知られ、国内外でダム建設に携わっていました。事件当時、マレーシアで間組が手がけるダム建設に対し、反対運動が起きており、東アジア反日武装戦線はこれに呼応し、テロの標的として間組を選定しました。

事件の概要

間組本社・工場同時爆破事件

東アジア反日武装戦線は、それまで各グループが独自に行動していましたが、今後は他のグループの意見も聞き、連携して行動することになりました。「さそり」グループが間組を次の標的として挙げ、他のグループも参加することになりました。作戦名は「キソダニ・テメンゴール作戦」と名付けられました。「テメンゴール」は、マレーシアのダム建設地の地名に由来し、「キソダニ」は、戦時中に間組が請け負っていた日本発送電御岳水力発電所の中国人労働者問題があった長野県の木曽谷に由来します。

標的は、東京都港区北青山にある間組本社と、埼玉県与野市（現：さいたま市中央区）にあった間組大宮工場に定められました。「さそり」と「狼」が本社、「大地の牙」が大宮工場に爆弾を設置しました。

1975年2月28日午後8時、本社と工場が同時に爆発しました。特に本社ではコンピュータ室が爆破され、重要なデータが失われるなど、間組の経営に大きな損害を与えました。

間組作業現場爆破事件

2月28日の爆破事件後、記者会見で「海外進出について止める気はないか」という記者の質問に対し、間組の副社長が「全くない」と答えたことが、東アジア反日武装戦線を刺激し、「我々に対する挑戦」と受け止められ、再び爆弾テロが計画されました。

4月28日0時過ぎ、千葉県市川市の間組江戸川作業所と工事現場が爆破の対象となりました。作業所は爆発し、当直の間組社員が重傷を負いましたが、工事現場の爆弾は不発に終わりました。そこで、不発の爆弾の横に新たな爆弾を設置し、誘爆させる計画が立てられ、5月4日に実行されました。

桐島聡は、生前この事件に関与していたことを死の数日前に示唆したとされています。

関連文献

松下竜一『狼煙を見よ 東アジア反日武装戦線“狼”部隊』（読売新聞社・戦後ニッポンを読む、1997年）ISBN 4-643-97116-9（河出書房新社・松下竜一その仕事22、2000年）ISBN 4-309-62072-8

関連項目

東アジア反日武装戦線
連続企業爆破事件
間組

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