関・加治田合戦

関・加治田合戦について

関・加治田合戦（せき・かじたかっせん）は、1565年（永禄8年）の夏、具体的には8月から9月にかけて行われた戦闘で、織田信長の軍と長井道利、肥田忠政、斎藤龍興の連合軍との激しい戦いが繰り広げられました。この戦は、合戦の背景や意義を知る上で重要な歴史的な出来事となっています。

合戦に至る経緯

1565年8月28日（永禄8年8月22日）、信長は堂洞合戦を勝利の後、加治田の佐藤忠能の屋敷に宿泊しました。その翌日、加治田城下で岸方の首実検が行われ、その帰路、信長は長井道利が関城から攻撃を仕掛けるとの報告を受けました。道利は大勢の兵を率いて信長の800人の軍に襲い掛かりましたが、信長は直ちに退却し、防御の態勢を整えました。この状況を受けて、信長は斎藤利治を主将とする300人の援軍を派遣することを決定しました。

合戦内容

加治田城攻城戦

加治田側の軍は、弓や鉄砲を携えた千人以上で二手に分かれ、城を守備しました。西側の大手口を佐藤忠能とその子、忠康の二人が固め、東側は忠能が守ることになりました。しかし、長井勢が絹丸の捨堀に押し寄せ、戦闘が始まります。この最中、忠康が戦場で討死し、加治田側は不利な状況に立たされましたが、名誉ある戦士、湯浅讃岐が勇敢に立ち向かい、長井勢を追い返しました。この勝利により、加治田軍は形勢を逆転させることができました。戦後、湯浅讃岐はその功績を讃えられ、新しい名を授けられ、刀を授けられることになりました。

一方、東からは肥田忠政が攻め寄せてきました。忠能は川浦川で彼と激戦を繰り広げ、敵を引かせることに成功しました。

関城攻城戦

加治田城での勝利にもかかわらず、利治は関城を攻略する必要性を信長に進言します。関城を占領しなければ、美濃攻略が進まないという考えからのものでした。信長は援軍を派遣し、9月になって攻撃が始まりました。

利治は加治田軍を指揮し、信長からの援軍と共に城を攻撃しました。長井道利は砦を築いて防御を固めましたが、連携が取れなかった斎藤龍興の軍が間に合わず、道利は関城を放棄せざるを得なくなりました。彼が抵抗しなかったのは、城の防御が不十分だったためとも言われています。

合戦後の影響

この戦闘の後、関城は廃城となり、森可成の支配下に置かれることとなります。斎藤利治は、信長の策略によって美濃の有力な国人衆、佐藤忠能の養子となり、加治田城の城主として成功裡に美濃の地位を引き継ぎました。また、忠能の家臣団も利治の家臣団として統合され、美濃の政治が大きく変わることとなりました。

この合戦を通じて、美濃における権力構造が変化し、信長の影響力がさらに強まっていくのです。この歴史的な戦闘は、日本の戦国時代における重要な事件の一つとされています。

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