関川 (信越)

関川（せきかわ、せきがわ）とは

関川は、長野県と新潟県をまたがり、日本海へと注ぐ一級水系本流の河川です。その源を焼山（標高2,400m）に発し、妙高山の南麓を東へ回り込むように流れ、その後は概ね北へと進路を変えます。高田平野を潤しながら、上越市直江津で日本海へと流れ込みます。上越市高田の稲田橋以北は、かつては荒川とも呼ばれていました。

地理的特徴

関川は、妙高山の南麓の一部で長野県との県境を形成しています。河口は保倉川と共有しており、複雑な地形を形成していることが特徴です。

名称の由来

関川の名称の由来には諸説あり、その正確なところは定かではありません。

かつてこの川が中頸城郡関川村（現在の妙高市関川地区）を流れていたことから、村の名前にちなんで名付けられたとする説。
洪水時に河道が土砂で堰き止められ、しばしば氾濫を起こしたことから、「堰き川（せきかわ）」と名付けられたとする説。
信越国境にあった北国街道の重関所の近くを流れる川であったとする説。
農業用水の利用が盛んであり、用水の取水を表す「堰川」から変化したとする説。

歴史

関川は、古くから地域の人々の生活と深く関わってきました。特に農業用水としての利用が盛んで、天正時代には上江用水第一期工事が行われ、江戸時代にはほぼ現在の形に近い農業用水の利用形態が確立していました。

また、歴史の中では、河川の付け替えや災害も経験しています。

1675年頃には、保倉川の河口を日本海から関川へ付け替える工事が行われました。
1960年には、土砂の流入を防ぐために河口が直江津港と分離されました。
1965年9月18日には、集中豪雨により関川の堤防が決壊し、高田市街地の約4,000戸が浸水する甚大な被害が発生しました。
1995年7月11日には、平成7年水害（通称7.11水害）が発生し、流域に大きな被害をもたらしました。

これらの歴史を通じて、関川は地域の生活と密接な関わりを持ち続けています。

流域の自治体

関川の流域には、以下の自治体が含まれます。

長野県：上水内郡信濃町、飯山市、長野市
新潟県：妙高市、上越市

支流

関川には、多くの支流が流れ込んでいます。主な支流としては、以下のものがあります。

保倉川（上越市）
矢代川（上越市、妙高市）
太田切川（妙高市）
白田切川（妙高市）

並行する交通

関川の流域には、以下の交通網が並行しています。

鉄道：えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン（妙高高原駅 - 直江津駅で並行）
道路：国道18号（北国街道）、上信越自動車道

橋梁

関川には、多数の橋梁が架けられています。下流から主な橋梁を列記します。

荒川橋
直江津橋
荒川橋梁（信越本線）
関川大橋（国道8号直江津バイパス）
謙信公大橋
関川橋（北陸自動車道）
春日山橋
上越大橋
稲田橋
中央橋
今池橋
高田大橋（国道18号上新バイパス）
島田橋
関川橋梁（北陸新幹線）
広島橋
新関川橋
関川橋
新保橋
川上橋
上越商会橋
泉橋
学校橋
瑞穂大橋
猿橋
大橋
妙高中央橋
大谷橋
住吉橋
蔵々橋
兼俣橋
関川橋梁（北しなの線）
両境橋
一之橋
信越大橋
れいめい橋（上信越自動車道）
地震滝橋

流域の観光地

関川の流域には、豊かな自然や歴史的な観光地が点在しています。

苗名滝
妙高山
妙高高原
乙見湖（笹ヶ峰ダム湖）
赤倉温泉
斑尾高原（支流の土路川上流）
* 高田城

これらの観光地は、関川の豊かな水と自然によって育まれてきました。

まとめ

関川は、その地理的な特徴から、古くから人々の生活と深く関わってきた河川です。農業用水としての利用はもちろんのこと、歴史の中では水害も経験しましたが、現在は治水対策が進められています。また、流域には豊かな自然と歴史的な観光地が点在しており、多くの人々が訪れる場所となっています。

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