関東学院大学ラグビー部

神奈川県横浜市に拠点を置く関東学院大学ラグビー部は、関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部に所属する強豪チームです。チームの略称は「関東学院」または「関東」として親しまれています。

歴史の幕開けと黄金期

チームの歴史は、1980年度に全国地区対抗大学ラグビーフットボール大会で初めて優勝したことから始まります。1982年度にも同大会で優勝し、その勢いのままに関東大学ラグビーリーグ戦の1部昇格を果たしました。そして、1990年度には念願のリーグ戦初優勝を飾り、同年度に全国大学ラグビーフットボール選手権大会への初出場も実現しました。

特に、1997年度から2006年度にかけての10年間は、チームにとって輝かしい黄金期となりました。この間、全国大学選手権で10年連続という驚異的な決勝進出記録を樹立し、決勝の舞台では明治大学や早稲田大学、慶應義塾大学といった大学ラグビー界の伝統校と熱戦を繰り広げました。この期間に、チームは2度の2連覇を含む合計6回の大学日本一に輝いています。また、7人制ラグビーにおいてもジャパンセブンズ選手権大会（2002年度）とYC&AC JAPAN SEVENS（2007年度）でそれぞれ優勝を飾るなど、幅広いカテゴリーで実力を示しました。

不祥事と再起への道のり

栄光の時代のさなか、2007年度に関東大学リーグ戦での優勝が目前に迫っていた時期に、部員による大麻使用という痛ましい不祥事が発生しました。この事態を受け、チームは最終戦の出場を辞退せざるを得なくなり、リーグ優勝を逃しました。さらに、対外試合の長期自粛や関係者の処分が決定され、それまで10年間続いていた大学選手権決勝連続進出記録も途絶えることとなりました。

激動の近年

不祥事以降、チームは厳しい再建の道を歩むこととなります。特に近年のリーグ戦では、昇格と降格を繰り返す不安定な状況が続きました。

- 2012年度：リーグ戦最下位となり、入れ替え戦で立正大学に敗れ2部へ降格。
- 2013年度：2部2位で入れ替え戦に挑むも、1部7位の立正大学に敗れ2部残留。
- 2014年度：2部3位となり、入れ替え戦出場なく2部残留。
- 2015年度：2部2位から入れ替え戦で1部7位の専修大学に勝利し、1部へ昇格。
- 2016年度：1部6位で、入れ替え戦出場なく1部残留。
- 2017年度：再び最下位となり、入れ替え戦で専修大学に敗れ2部へ降格。
- 2019年度：2部2位から入れ替え戦で1部7位の拓殖大学に勝利し、1部へ昇格。
- 2022年度：再び最下位となり、入れ替え戦で拓殖大学に敗れ2部へ降格。
- 2023年度：2部1位で入れ替え戦に回り、拓殖大学に勝利。わずか1年で1部復帰というチーム史上初の快挙を達成しました。この年は初めて共同主将体制を採用しています。

主な獲得タイトル

チームがこれまでに獲得した主要なタイトルは以下の通りです。

全国大学ラグビーフットボール選手権大会：6回
（1997、1998、2000、2001、2003、2006年度）
関東大学ラグビーリーグ戦：10回
（1990、1996、1997、1999、2000、2001、2002、2003、2005、2006年度）
全国地区対抗大学ラグビーフットボール大会：2回
（1980、1982年度）
ジャパンセブンズ選手権大会：1回（2002年度）
YC&AC JAPAN SEVENS：1回（2007年度）
東日本大学セブンズ：1回（2000年度）

人材育成

関東学院大学ラグビー部は、長年にわたり数多くの優れたラグビー選手を育成し、日本のラグビー界に送り出してきました。卒業生の多くがトップリーグやリーグワンで活躍しており、日本代表に選出された選手も多数に上ります。現チームを率いる板井良太監督や榎本淳平ヘッドコーチもチームOBです。その他、日本代表としてワールドカップでも活躍した稲垣啓太選手や、日本代表主将を務めた箕内拓郎氏をはじめ、松田努氏、北川俊澄氏、山村亮氏、霜村誠一氏、水野弘貴氏、有賀剛氏、北川智規氏、五郎丸亮氏（五郎丸歩選手の兄）など、著名なOB・OGが多数活躍しています。女子日本代表として国際舞台で活躍した鈴木彩香氏、鈴木実沙紀氏もOB/OGとして名を連ねています。

所在地

チームは神奈川県横浜市金沢区釜利谷南に活動拠点を置いています。

黄金期に築かれた輝かしい実績と、近年経験した困難を乗り越え、再び大学ラグビー界のトップカテゴリーで戦う関東学院大学ラグビー部。多くのOBが築いた伝統を受け継ぎ、更なる高みを目指すその戦いに注目が集まっています。

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