関根則之

関根則之 - 日本の自治官僚・政治家

関根則之（せきね のりゆき、1931年1月13日 - 2022年6月19日）は、日本の自治官僚として知られる政治家であり、消防庁長官や参議院議員を歴任した人物です。静岡県副知事や自民党の要職でも活動し、長い政治人生を送りました。

生い立ちと教育

埼玉県比企郡吉見町に生まれた関根は、1943年に埼玉県立松山中学校に入学し、1945年には海軍兵学校に進学しました。1948年には旧制浦和高等学校に入学し、1953年に東京大学法学部を卒業後、自治省に入省しました。このように、彼の教育は官僚としてのキャリアに直結しています。

政治キャリアのスタート

関根は1957年にフルブライト留学生として海外に留学し、シラキュース大学およびマンハッタン大学で学びました。帰国後は、1960年に宮城県地方課長としてキャリアをスタートし、1971年には三重県教育長に就任しました。1976年には自治省財政局財政課長として重要なポストを務めました。

自治省での活動

1979年には静岡県副知事に就任し、その後1981年には自治省税務局長、1984年には消防庁長官に就任しました。特に消防庁長官としての活動は大きな影響を与え、彼は地域の安全に貢献しました。その後も、公共政策に深く関与し続けました。

参議院議員への進出

1988年には埼玉県知事選挙に立候補しましたが、残念ながら落選しました。1991年、名尾良孝の死去に伴う補欠選挙において自民党公認で当選し、政治家としての地位を確立しました。この選挙では、投票率が17.80%と国政選挙史上最低を記録しましたが、当選後は三塚派に所属し、政界での影響力を高めていきました。1992年には第16回参議院議員通常選挙で再選され、1996年には科学技術政務次官 (第47代) としても活躍しました。

政治活動と引退

1998年の参議院議員通常選挙では自民党が2議席獲得を目指したものの、関根と新人の栗原稔は共倒れしてしまいました。彼は再出馬の意向を示しましたが、健康上の理由から最終的に政界から引退しました。2000年春には勲二等旭日重光章を受章し、彼の公的活動が評価されました。また、静岡県広報協会会長や日本防災士機構の顧問など、多くの関与も行いました。

最晩年と記録

2022年6月19日、関根則之は多臓器不全により91歳で亡くなりました。彼の死後、正四位に叙され、その功績は長く語り継がれることでしょう。彼はまた、1995年に参議院で宗教法人等に関する特別委員会での参考人招致を要求したことや、1997年には北朝鮮訪問の一員だったという記録も持っています。さらに、臓器移植法の推進者としても知られ、公共の利益のために尽力した政治家としての姿勢が多くの人々に評価されています。

著作

関根は、政治や地方行政に関する著書も残しており、『地方公営企業法逐条解説』（1968年）、『図説地方財政』（1975年）、『時代の裂け目に』（1990年）などがあります。これらの著作は、彼の深い知識と専門的な見識を今後の世代にも伝える重要な資料とされています。

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