闇を裂く一発

闇を裂く一発

『闇を裂く一発』（やみをさくいっぱつ）は、1968年に大映が製作・公開した日本の犯罪サスペンス映画です。監督は、本作が自身にとって大映での最後の作品となった村野鐵太郎が務めました。

物語は、メキシコオリンピック出場を目指し、射撃競技の強化合宿に参加している新人の警察官を主人公に据え、彼がベテラン刑事たちと共に、社会を震撼させる凶悪事件の犯人を追跡する7染川光男役の72時間を緊迫感たっぷりに描いています。スポーツ、特に射撃という特殊な能力を持つ主人公と、経験豊富な刑事たちの連携、そして時間との闘いがサスペンスフルに展開される作品です。

主要キャストには、主人公である射撃選手出身の新人警察官・本多修一を峰岸隆之介が演じています。彼を取り巻く刑事たちとして、手塚亘役に佐藤允、江森刑事に露口茂、そして犬丸刑事に加藤武といった、当時の日本映画界を代表する実力派俳優陣が顔を揃え、物語に重厚感を与えています。その他にも、高橋悦史、浜田ゆう子、笠原玲子、赤座美代子、青山良彦、平泉征、高原駿雄、下川辰平、樋浦勉、早川雄三、北村和夫といった多数の俳優が出演し、脇を固めています。

スタッフ陣では、監督の村野鐵太郎に加え、脚本を黒澤明作品などで知られる菊島隆三が手掛けており、物語の骨子をしっかりと構築しています。音楽は山下毅雄が担当し、緊張感を煽るサウンドで作品世界を彩っています。撮影は上原明、企画は原田光夫、編集は中静達治がそれぞれ務めました。

公開時には、安田公義監督の『座頭市果し状』と併映されました。

また、本作は後にテレビドラマとしてもリメイクされています。1982年10月26日には、『火曜サスペンス劇場』の枠で、山口和彦が監督、中村雅俊が主演を務める形で映像化され、再び多くの視聴者にその物語が届けられました。映画版とはまた異なるアプローチで描かれたテレビ版も存在しており、作品の持つ題材の普遍性を示しています。

新人警察官の射撃スキルがどのように事件解決に繋がるのか、ベテラン刑事たちとの間に生まれる葛藤や信頼関係、そして迫りくるタイムリミットの中で犯人逮捕へと突き進む姿が、観る者を引き込むクライムサスペンスです。

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