阪井重季

阪井 重季（さかい しげすえ/しげき）の生涯

阪井重季は、1847年1月10日に土佐国土佐郡高知城下で誕生しました。父は土佐藩士の二川周五郎であり、家はその後阪井に改姓されました。この地域は多くの著名な政治家の出身地で、阪井も幼少期からその影響を受けて育ちました。

彼は戊辰戦争に従軍した後、1870年に大坂兵営予備生徒となり、翌年には陸軍大尉に任官されました。上京後は様々な将校職を歴任し、特に佐賀の乱や西南戦争での活躍が注目されます。

1874年から1875年にかけて、佐賀の乱には出征し、続いて西南戦争にも参加しました。阪井は歩兵第24連隊や歩兵第12連隊の大隊長を務め、その後も名古屋鎮台衛戍司令官として多くの戦闘に従軍しました。

日清戦争では台湾に出征し、1895年には陸軍少将に昇進。近衛歩兵第2旅団長として活躍します。その後も、陸軍中将に昇進し、予備役に編入されますが、日露戦争が勃発すると召集を受け、留守第1師団長や後備第1師団長を歴任し奉天会戦にも参加しました。1906年3月に召集解除され、同年4月には正式に退役を果たします。

彼は1907年に男爵に叙爵され、その後は牛込区議や富士生命社長としても活動しました。1911年には貴族院の男爵議員に当選し、死去するまでその職にあり続けました。

阪井重季はその業績から多くの栄典を受けました。1894年に正五位、1899年に従四位となり、1916年には従三位に昇進しました。また、いくつかの勲章も受勲しており、特に功四級金鵄勲章や勲一等瑞宝章、旭日大綬章などが知られています。

阪井には長女が一人おり、寺田寅彦の最初の妻であった阪井夏子がいます。彼女は1902年にこの世を去りました。

彼の墓所は青山霊園にあります。

阪井重季の生涯は、明治から大正にかけての日本の歴史において重要な役割を果たした陸軍軍人であり、政治家としての側面も併せ持つものでした。彼の業績と生涯は、現在においても多くの人々に記憶されています。

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