阪本瑞男

阪本 瑞男（さかもと たまお）

阪本瑞男（1897年3月6日 - 1944年7月5日）は、日本の外交官であり、特に第二次世界大戦における彼の反戦的な立場が注目されています。彼はドイツの戦局に対する悲観的な見通しを持ち、日本が英米との戦争に参戦することに反対したことで知られています。

人物と略歴

生まれは東京で、東京府立一中や第一高等学校を卒業後、東京帝国大学の法学部に進み、政治学を学びました。1920年10月に高文外交科に合格し、外務省に入省しました。彼の同僚には鹿島守之助や加瀬俊一がいました。初頭には奉天や外務省の条約局、そしてフランス勤務を経て、国際連盟の帝国事務局に関与しました。

1929年にはロンドン軍縮会議に随員として参加し、後に1933年には条約局の第3課長、1937年には在米国大使館の一等書記官として活躍しました。その後、在イタリア大使館の参事官を経て、1940年9月には外務省の欧亜局長に就任。1942年8月には駐スイス公使に任命されました。

スイスでは中立国を活用し、ドイツの戦況が悪化していると本国に報告し、終戦工作に全力を注ぎました。しかし、駐ドイツ大使の大島浩が国内にドイツ優位の情報を流していたため、阪本の努力は実を結びませんでした。彼は1944年7月にスイスで亡くなりました。

家族と親族

阪本の家系も非常に著名で、父は福井県の知事を務めた阪本釤之助です。弟には詩人でドイツ文学者の阪本越郎がいるほか、異母弟には小説家の高見順がいます。政治家の古井喜実は義弟であり、タレントの高見恭子は姪にあたります。また、文学研究者である鷲津名都江や狂言師の野村萬斎も彼の親族です。

阪本の妻は伯爵の娘である艶子で、多くの著名人たちと義理の関係があります。川村鉄太郎の娘である艶子は、その姉妹が柳原白蓮の異母兄の嫁であったり、西竹一の妻であったりすることから、相婿となる関係が成り立っています。

栄典

彼は1940年に「紀元二千六百年祝典記念章」を授与されました。

参考文献

阪本の人物像やその家系に関して詳しく知りたい方は、小谷野敦著の『日本の有名一族 近代エスタブリッシュメントの系図集』が参考になります。

関連項目

日本の降伏や加瀬俊一（彼の後任）、小野寺信（陸軍軍人）、藤村義朗（海軍軍人）などの関係者も、この時代の重要な人物として挙げられます。

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