阪田渉

阪田渉の人物像

阪田渉（さかた わたる）は、1965年7月3日生まれの日本の財務官僚です。彼のキャリアは、日本の財政政策の中枢を担うものであり、数々の重要な役職を歴任してきました。2023年現在、内閣官房副長官補（内政担当）を務めています。

阪田氏の家系は、官僚一家と言えるでしょう。父は元日債銀専務の阪田登、祖父は元国税庁長官の阪田泰二、高祖父は元長崎師範学校校長の小川駒橘です。また、ファッションデザイナーの中嶋弘子も親族にあたり、彼女の葬儀では喪主を務めました。

学歴と初期のキャリア

阪田氏は、麻布中学校・高等学校を経て、東京大学文科一類に入学し、法学部を卒業しました。在学中に国家公務員一種試験（法律）に合格しています。1988年に大蔵省に入省し、関税局企画課に配属されました。初期の業務では、朝の雑巾がけやゴミ捨てから始まり、議員会館への根回しや輸入組合への電話連絡など、多岐にわたる業務を経験しました。

特に印象深い出来事として、当時前例がなかったアンチダンピング関税の提訴に関わったことを挙げており、行政の複雑さを実感したと述べています。

また、コロンビア大学の行政学コースに留学し、会計学、統計学、金融学、経済学などを学びました。これらの知識は、その後の官僚生活の基礎になったと語っています。留学中に学位を取得したかどうかは確認されていません。

キャリアの変遷

阪田氏は、1994年に潮来税務署長に就任し、その後、外務省在インド大使館に勤務しました。2000年には主計局主計官補佐（地方財政係主査）として、地方交付税関連の予算編成を担当しました。

2002年からは約3年間、主計局総務課長補佐（企画担当）を務め、2005年には国際協力銀行（JBIC）の研究員としてワシントンD.C.に駐在しました。この間、情報収集活動に従事しています。

2010年には大臣官房秘書課財務官室長に就任し、財務大臣の海外出張の日程管理や、為替介入時の財務大臣・財務官の対外関係をサポートしました。

2011年には主計局主計官（厚生労働第二担当）として、社会保障予算の半分を占める年金、生活保護、雇用の予算編成を担当しました。その後、主計局総務課長、大臣官房文書課長、大臣官房審議官（国際局担当）などを歴任しました。

2018年には主計局次長（次席）、2019年には主計局次長（首席）に昇進し、2020年には大臣官房総括審議官に就任しました。その後、会計センター所長兼財務総合政策研究所長を経て、2021年に関税局長、2022年には国税庁長官に就任しました。

現在の役職

2023年7月に財務省を依願退官し、同年9月には内閣官房内閣審議官兼デジタル行財政改革準備室長に就任しました。さらに2024年6月には内閣官房副長官補（内政担当）に就任し、沖縄連絡室長代理と内閣感染症危機管理統括庁内閣感染症危機管理監補を兼務しています。これにより、阪田氏は内政全般、沖縄政策、感染症対策において、重要な役割を担うこととなりました。

阪田氏のキャリアは、財務省における要職を歴任し、その経験と知識を活かして、内閣府においても重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

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