阿久澤孝

阿久澤孝（あくざわ たかし）

日本の財務官僚。現在は、内閣府大臣官房審議官（経済社会システム担当）兼内閣府規制改革推進室次長兼内閣官房内閣審議官（内閣官房副長官補付）兼内閣官房新しい資本主義実現本部事務局次長を務める。

キャリア初期

埼玉県出身。埼玉県立浦和高等学校を経て東京大学理科二類に入学。理系であったが、3年次には教養学部教養学科国際関係論コースへ進み、文系分野を専攻した。1991年に東京大学を卒業後、大蔵省（現財務省）に入省。主計局総務課企画係に配属され、官僚としてのキャリアをスタートさせた。

大蔵省・財務省での経験

入省後、主計局調査課、主計局主計企画官室（財政計画係）などを経て、金融危機対応や官邸勤務、厚生労働省への出向など、幅広い業務を経験した。財務省主計官補佐（主査）時代には、社会保障分野の予算編成を担当し、医療制度改革にも携わった。2008年7月からは4年間、石川県で地方行政に携わり、企画振興部長や総務部長を務めた。

主計局に戻ってからは、主税局税制第二課主税企画官、大臣官房付、内閣官房内閣参事官などを歴任。2015年7月には主計局主計官（総務、地方財政、財務担当）、2016年6月には主計官（厚生労働第一担当）に就任し、社会保障政策の中心的役割を担った。2018年7月には主計局法規課長、2019年7月には主計局総務課長兼法規課長、その後、総務課長となり、予算編成の実務を取り仕切った。

復興庁、内閣府での活躍

2020年7月には復興庁統括官付審議官に就任し、東日本大震災からの復興事業に携わった。2021年7月には主計局次長（末席）に就任し、財務省の中枢を担った。その後、内閣官房内閣審議官、社会保障改革担当室審議官、令和3年経済対策世帯給付金等事業企画室審議官を兼務。2022年1月には全世代型社会保障構築本部事務局審議官も兼務し、社会保障制度改革に深く関与した。

2022年6月には大臣官房審議官（主税局担当）に就任し、税制改革にも貢献した。2023年7月には、内閣府大臣官房審議官（経済社会システム担当）、内閣府規制改革推進室次長、内閣官房内閣審議官、内閣官房新しい資本主義実現本部事務局次長という、複数の要職を兼務。経済社会システムの改革、規制改革の推進、新しい資本主義の実現に向けた政策立案の中心的な役割を担っている。

略歴

1991年4月：大蔵省に入省
1992年：主計局調査課 兼 主計局主計企画官室（財政計画係）
1993年：東京大学大学院経済学研究科研究員
1995年：銀行局中小金融課
1995年：銀行局調査課調査係長
1997年：内閣官房内閣内政審議室
1998年：厚生省保険局企画課長補佐
2000年：大蔵省大臣官房総合政策課長補佐 兼 内閣官房内閣内政審議室
2001年1月6日：内閣官房行政改革推進事務局行政改革推進調整室員
2002年：財務省主計局主計官補佐（厚生労働第六、七係主査）
2003年：主計局総務課長補佐（企画）
2004年7月：主計局主計官補佐（厚生労働第三係主査）
2006年：主計局主計官補佐（厚生労働第一、二係主査）
2008年7月：石川県企画振興部長
2010年4月：石川県総務部長
2011年7月：主税局税制第二課主税企画官
2012年8月10日：大臣官房付
2012年8月：大臣官房付 兼 内閣官房内閣参事官（内閣官房副長官補付） 兼 内閣官房社会保障改革担当室参事官
2013年3月15日：大臣官房付 兼 内閣官房内閣参事官（内閣官房副長官補付） 兼 内閣官房社会保障改革担当室参事官 兼 内閣官房健康・医療戦略室参事官 兼 内閣府国立研究開発法人日本医療研究開発機構担当室参事官
2014年9月3日：大臣官房付 兼 内閣官房内閣参事官（内閣官房副長官補付） 兼 内閣官房社会保障改革担当室参事官 兼 内閣官房健康・医療戦略室参事官 兼 内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局参事官 兼 内閣府国立研究開発法人日本医療研究開発機構担当室参事官
2015年7月9日：主計局主計官（総務、地方財政、財務担当）
2016年6月22日：主計局主計官（厚生労働第一担当）
2018年7月17日：主計局法規課長
2019年7月5日：主計局総務課長 兼 主計局法規課長
2019年7月9日：主計局総務課長
2020年7月20日：復興庁統括官付審議官
2021年7月8日： 主計局次長（末席）
2021年11月11日：主計局次長（末席） 兼 内閣官房内閣審議官（内閣官房副長官補付） 兼 内閣官房社会保障改革担当室審議官
2021年11月19日：主計局次長（末席） 兼 内閣官房内閣審議官（内閣官房副長官補付） 兼 内閣官房社会保障改革担当室審議官 兼 内閣官房令和3年経済対策世帯給付金等事業企画室審議官
2022年1月1日：主計局次長（末席）兼 内閣官房内閣審議官（内閣官房副長官補付） 兼 内閣官房全世代型社会保障構築本部事務局審議官 兼 内閣官房令和3年経済対策世帯給付金等事業企画室審議官
2022年6月26日：大臣官房審議官（主税局担当）
2023年7月4日：内閣府大臣官房審議官（経済社会システム担当） 兼 内閣府規制改革推進室次長 兼 内閣官房内閣審議官（内閣官房副長官補付） 兼 内閣官房新しい資本主義実現本部事務局次長


阿久澤孝は、財務省における予算編成や社会保障政策、税制改革といった、国の中枢を担う重要な業務に長年携わってきた。地方行政にも精通しており、幅広い視野と経験を有している。現在も、新しい資本主義実現に向けた政策立案の中核として、その手腕を発揮している。

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