阿保剛

阿保 剛（あぼ たけし）

阿保剛は、日本のゲーム音楽界で名を馳せる作曲家です。彼は、スタークラフトやKID、5pb.（現在のMAGES.）など、数々のゲーム会社において音楽制作を担当し、多くの有名作品に楽曲を提供しています。また、彼の音楽スタイルは特にピアノの音を多用している点が特徴です。

経歴

幼少期と音楽の芽生え

阿保は幼少期から音に対する興味を示し、学習雑誌に付属された電子機器で創作を始めました。ファミリーコンピュータや友人のパソコンゲームに夢中になり、特に『テグザー』の音楽を好み、口ずさむこともありました。また、電機店で耳にした『ロマンシア』の音楽が強く印象に残り、彼の作曲スタイルに影響を与えたと振り返っています。さらに、イエロー・マジック・オーケストラ（YMO）の音楽にも影響を受け、自らも電子音楽を作りたいとの思いを抱くようになりました。

スタークラフト入社以前

自作のゲームを作るため、X1GやX68000を駆使し、音楽も必要との思いからゲーム会社への応募を決意します。1992年、スタークラフトにプログラマ兼サウンドとして採用され音楽制作の道を歩むことになります。

スタークラフトでの活動

入社後、阿保は最初にスーパーファミコン用ソフトのデバッグ業務を担当しましたが、独学で環境を構築し、自由に作曲を始めます。作曲能力が認められ、1993年にはついに作曲家としてデビューを果たしました。彼の音楽は特にサウンドチップの特性を活かしたもので、ゲームの雰囲気にマッチする楽曲が評価されています。

KIDへの移籍と5pb.時代

1995年にはKIDに移籍し、多数の恋愛アドベンチャーゲームの音楽を担当し、年間約100曲を作曲。KIDが2006年に倒産後は、5pb.（MAGES.）に参画し、その後も精力的に音楽活動を続けます。代表作には『Memories Off』シリーズがあり、特に2020年にはKID時代の楽曲をまとめた「阿保剛KID作品集」がリリースされ、多くのリスナーに親しまれています。

作風

阿保の音楽はピアノの音色が特徴で、多彩な表現力を持つ楽器として活かしています。「ピアノの音楽はどんなシーンにも合うため、サウンドトラックにおいての適応性が非常に高い」と自己評価する一方で、最近はその表現に依存しない制作を心がけています。また、彼は音楽にポップスやダンスミュージックの要素を取り入れ、特に『Memories Off』シリーズでは、マッシヴ・アタックなどの影響を受けています。

音楽制作にはMacintoshとReason、Cubaseを使用し、最近のプレイステーション2作品はReasonを使って制作した楽曲が多いとのことです。楽器を演奏することは稀であり、アドリブを必要とする曲作りには少々時間がかかると明かしています。

人物像

温和で気さくな人柄の阿保は、ファンからの声に積極的に応じており、自動車好きでも知られています。特にカートレースに参加することが多く、ホンダ・プレリュードのファンとしても有名です。

参加作品

阿保は数多くのゲームとアニメに音楽を提供しており、特に『Memories Off』シリーズや『STEINS;GATE』といった作品は多くのファンに高く評価されています。また、多岐にわたるジャンルの音楽も手掛け、その幅広さが彼の魅力の一つでもあります。彼の活動は、ゲーム音楽界における重要な影響を与え続けています。

彼の音楽はリスナーに深く愛され、今後も新しい作品に出会うことを楽しみにしています。

もう一度検索