阿寒川

阿寒川（あかんがわ）

阿寒川は、北海道釧路市を流れ太平洋に注ぐ二級河川であり、阿寒川水系の本流です。阿寒摩周国立公園に位置する阿寒湖を源流とし、豊かな自然の中を流れる川です。

地理

阿寒川は、釧路市北部の阿寒湖から流れ出ます。国道240号線とほぼ並行して南下し、釧路市大楽毛（おたのしけ）で太平洋に注ぎます。特筆すべき点として、阿寒川は北海道内で3番目に流域面積が広い二級河川です。

地名の由来

阿寒川の元々の名前は「ラカンベツ（Rakan pet）」でした。これはウグイの産卵川を意味するという説があります。また、大地震によって周辺の地形が大きく変化した際、雄阿寒岳だけは動かなかったため、「アカン・ウン・ピンネシリ（不動の男山）」と呼ばれ、それが地名になったという説も存在します。

流域の自治体

阿寒川が流れるのは、北海道釧路総合振興局の釧路市です。

治水の歴史

かつて阿寒川は釧路川の支流であり、現在の仁々志別川下流を流れ、釧路市新釧路町付近で釧路川に合流していました。しかし、低湿地を流れる釧路川の氾濫を防ぐため、阿寒川を直接太平洋に流す分流工事が行われました。

明治23年には、釧路市山花のオンネ沼から大楽毛川の支流に通じる全長6.24kmの第一分水溝が建設されました。明治32年には、釧路市北斗から第一分水溝に通じる2.75kmの第二分水溝が建設されました。さらに下流部では、釧路港への土砂流入を防ぐため、大正3年から6年にかけて釧路川から阿寒川を切り離す工事が行われ、釧路市昭和町付近から南へ直接海に流れるように流路が変更されました。この新しい流路は「阿寒新川」と名付けられました。

大正9年8月10日には、大雨による大洪水が発生し、第一分水溝が破壊され、阿寒川の水がすべて第一分水溝側に流れ込むようになりました。これにより、阿寒川は大楽毛川を経て太平洋に注ぐ川となりました。その後、阿寒川から分離した阿寒新川は、昭和5年に完成した釧路郡釧路町岩保木地点から分流する釧路川新水路の河口部として利用され、「新釧路川」と名前を変えました。

利水

阿寒川は、水力発電や工業用水として利用されています。ほくでんエコエナジー（株）（ほくでんグループ）によって、上飽別発電所、飽別発電所、徹別発電所、蘇牛発電所の4つの水力発電所が設置されています。また、河口付近にある王子マテリア釧路工場では製紙プラント用の水として、大楽毛水産加工団地では工業用水として阿寒川の水が利用されています。

主な支流

阿寒川には、以下の支流があります。

双湖台川（ペンケトーに流入）
上イベシベツ川（パンケトーに流入）
イベシベツ川（阿寒湖に流入）
清流川
鹿遊川
ポンピリカネップ川
ピリカネップ川
イタルイカオマナイ川
白水川
オンネナイ沢川
飽別川
徹別川
ニタベツ川
舌辛川
ツタ川
ウエンベツ川
ヌカマンベツ川
大楽毛川
オタノシケップ川

周辺施設

阿寒川流域には、以下の施設があります。

ペンケトー - パンケトーの水源
パンケトー - 阿寒湖の水源
阿寒湖 - 阿寒川の水源
雄阿寒岳 - 地名由来
雌阿寒岳 - 白水川（支流）の源頭
道の駅阿寒丹頂の里
釧路市動物園
山花温泉
たんちょう釧路空港
王子[[製紙]]釧路工場
釧路高専
大楽毛駅 - 河口付近にあるJR根室本線の駅

主な橋梁

阿寒川には、以下の橋梁が架かっています。

雄観橋 - 国道240号
鶴の恵橋
阿寒川橋 - 国道240号
上徹別橋
四十一線橋 - 北海道道667号徹別原野雄別停車場線
三十七線橋
中央橋 - 国道274号
松之恵橋
阿寒川橋 - 北海道道243号阿寒標茶線
十四線橋
山花橋 - 北海道道222号雄別釧路線
新音羽橋
嘶橋 - 湿原道路
阿寒川大橋 - 国道38号（釧路新道）
大楽毛橋 - 国道38号（旧道）
* 阿寒川橋梁 - JR根室本線

阿寒川は、その豊かな自然と人々の生活を支える重要な河川です。

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