阿蘇定期観光バス

阿蘇定期観光バス：雄大な阿蘇の大自然を巡る旅

かつて産交バス（阿蘇）が運行していた「阿蘇定期観光バス」は、阿蘇の三大観光地を中心に、阿蘇山やその周辺の豊かな自然を満喫できる人気の観光ルートでした。愛称は「ASOギャラリーバス」で、オレンジと赤を基調とした車体は、阿蘇山のマグマをイメージしたデザインが特徴的でした。

魅力的な観光ルートと運行の歴史

2009年9月19日に運行を開始した「阿蘇定期観光バス」は、当初『阿蘇谷ルート』（午前運行）と『黒川・小国ルート』（午後運行）の2つのルートがありました。『阿蘇谷ルート』は阿蘇市内の観光スポットを巡り、『黒川・小国ルート』は黒川温泉や小国郷といったエリアにも足を伸ばす、魅力的なコース設定でした。

2011年4月にはダイヤ改正が行われ、『黒川・小国ルート』は廃止され、『阿蘇谷ルート』は1日2便の運行に変更されました。その後、2013年9月30日に一旦休止となりましたが、JR九州の観光列車「あそぼーい!」運行日に限り、代替バス「だいかんぼーい!」が運行されました。

2014年11月1日にはコースをリニューアルして運行を再開。その後、熊本地震や新型コロナウイルスの影響により、2020年9月30日を以って最終的に廃止となりました。

多様なコースと充実したサービス

運行ルートは、時代と共に変化を遂げました。初期の『黒川・小国ルート』では、「小国観光コース」、「黒川散策コース」、「温泉宿泊コース」といった複数のコースが用意されており、観光客のニーズに合わせた旅程を選択することが可能でした。

リニューアル後のルートでは、阿蘇駅を出発し、阿蘇山西駅、阿蘇神社、大観峰などを巡る1日1便の運行となりました。所要時間は約6時間。定員は25名で、産交バス阿蘇営業所で予約を受け付けていました。SUNQパスなどの割引券は利用できませんでしたが、音声ガイドは日本語、英語、中国語、韓国語の4ヶ国語に対応しており、多言語対応にも配慮されていました。

車両と音声ガイド

使用車両は三菱ふそう製エアロミディMJの25人乗りマイクロバスで、九州産交バス貸切専用色でした。バスガイドは添乗していませんでしたが、車内には観光地に関する情報などを織り交ぜた映像付き音声ガイドが搭載されており、快適な旅をサポートしました。

まとめ

「阿蘇定期観光バス」は、阿蘇の豊かな自然と魅力的な観光スポットを効率的に巡るための便利な交通手段でした。その運行期間は比較的短かったものの、阿蘇観光に貢献したことは間違いありません。多様なコース設定や音声ガイドなど、観光客への配慮も感じられるサービスを提供していました。運行終了は残念ですが、その歴史と魅力は多くの人々の記憶に刻まれているでしょう。

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