阿豆佐味天神社

阿豆佐味天神社について

阿豆佐味天神社（あづさみてんじんじゃ）は、東京都西多摩郡瑞穂町に位置する神社であり、その歴史は非常に古く、式内社として認識されています。この神社は郷社としての地位を持ち、阿豆佐味天神社の総本宮としての役割も果たしています。神社の周囲は、瑞穂町と武蔵村山市のほぼ境界にあたる狭山丘陵の南側に広がっており、自然豊かな場所です。

祭神とその意味

現在、阿豆佐味天神社で祀られている主な祭神は三柱です。これらの神々は日本神話における重要な存在であり、各々が持つ特性から地域社会に大きな影響を与えてきました。祭神は以下の通りです。

• - 少彦名命（すくなひこなのみこと）: 薬や治療に関わる神。
• - 素戔嗚命（すさのおのみこと）: 異常気象や風雨を司る神。
• - 大己貴命（おおなむちのみこと）: 繁栄や縁結びの神であり、農業や商売の守護神とされています。

創建の歴史

社伝によると、この神社は寛平4年（892年）に桓武平氏の祖・高望王によって創建されたとされます。地域の人々は、この神社を村山郷の総鎮守として崇敬し、武蔵七党の一派である村山党の氏神としても大きな信仰を受けてきています。社名である「阿豆佐味」にはいくつかの由来があり、一つは「梓弓」に由来する説、また「楸」によるもの、さらに「甘い水」という意の湧水から来ているとの説もあります。

この神社は、天正12年（1584年）や慶長3年（1598年）に修復が行われ、享保年間（1716年-1736年）には村山土佐守の手によって社殿のさらなる改修が実施されました。また、歴代の領主からも厚く保護されており、後北条氏や徳川幕府から土地を寄進されています。明治6年（1873年）には郷社に列格され、今もなお多くの人々に参拝されています。

近隣の神社

また、立川市の砂川町にも同名の阿豆佐味天神社があります。この神社は1629年に砂川村の開拓の際に鎮守として勧請され、1738年には本殿が造営されました。村野氏が開発を手掛けたこの地域には、当社の後裔とも言われる家系による別の神社も存在しています。小平市にも関連する神社があり、小川新田の開発に伴っていくつかの社が勧請されました。

摂末社と例大祭

阿豆佐味天神社の境内には、いくつかの摂末社があります。主なものには、奥宮、神明宮、八幡社、熊野社、雷神社、正一位稲荷神社、厳島社、須賀神社、甲子社などがあります。例大祭は毎年3月4日に行われ、地域の人々はこの日を待ちわびて神事に参加します。

アクセス情報

神社へのアクセスは、八高線の箱根ヶ崎駅の東口から、立川バスに乗り、殿ヶ谷で下車後、徒歩で約3分の距離です。また、中央線からも立川駅北口よりバス付きでアクセスができます。瑞穂町のコミュニティバスも利用可能で、寄り合いハウスいこい下車後、徒歩3分で参拝できます。武蔵村山市内循環バスを利用することも可能です。

阿豆佐味天神社は、その歴史的な背景や地域との深い結びつきを持つ神社であり、訪れることでその魅力を体験できる場所です。

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