村山党

村山党（むらやまとう）

村山党は、平安時代から鎌倉時代にかけて、武蔵国多摩郡村山郷（現在の狭山丘陵付近）に勢力を持っていた武士団であり、武蔵七党の一つです。野与党と同族にあたります。

歴史

起源と発展

村山党の祖は、平安時代に平頼任が北多摩郡村山に住み、村山氏を名乗ったことに始まるとされています。村山頼任の子孫とされる一族が村山党を形成し、主な一族には金子氏、宮寺氏、山口氏、仙波氏などがいました。彼らの勢力は、狭山丘陵（現在の多摩湖・狭山湖湖底部を含む）および丘陵北部の武蔵野台地へと広がりました。

入間川支流の柳瀬川を含む狭山丘陵部は、古くから東山道沿いの武蔵野国悲田処などを有する豊かな田園地帯でした。武蔵野台地では、金子十郎や山口六郎が畑地を、仙波七郎が川越市仙波に居を構え、荒川沿いの水田をそれぞれ支配していました。

保元の乱から鎌倉時代

保元の乱では、金子家忠や仙波家信が後白河天皇方として活躍しました。治承・寿永の乱においては、当初村山党は他の武蔵の武士団と同様に平家方につきました。吾妻鏡によると、治承4年には秩父党の畠山重忠に従い、村山・金子氏の一党も相模国の三浦氏を攻撃しています（衣笠城合戦）。しかしその後、畠山氏とともに源頼朝の傘下に入りました。

鎌倉時代以降、村山党には金子氏や仙波氏など、伊予国をはじめとする西国に所領を得る者も多くいましたが、武蔵国では秩父党の河越氏に従っていました。鎌倉時代末期には、河越高重に従い新田義貞の倒幕軍に加わり、分倍河原の戦いなどで活躍しました。

室町時代から戦国時代

室町幕府が成立すると、鎌倉公方や関東管領の支配が強まりました。応安元年（1368年）1月、河越直重を中心に武蔵平一揆を起こしますが、鎮圧され、山口高清などが自害し、村山党は没落しました。以降、村山党の諸氏は関東管領上杉氏の家臣である大石氏に従うことになります。

戦国時代に入り、上杉氏が後北条氏に敗れて没落すると、大石定久は北条氏康の三男・北条氏照を娘婿に迎え家督を譲りました。これにより、村山党は後北条氏の支配下に入りました。小田原征伐で後北条氏が滅亡し徳川家康が関東に入ると、村山党の一部は徳川氏の旗本として存続しました。

江戸時代

『新編武蔵風土記稿』には、多摩郡（現在の東京都を含む）山口領として、箱根ヶ崎村、石畑村、殿ヶ谷村など23ヶ村が記載されています。

系図

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脚注

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