阿部信泰

阿部信泰：日本の外交官、国際社会に貢献したキャリア

阿部信泰氏は、1945年秋田県生まれの日本の外交官です。東京大学法学部卒業後、1967年に外務省に入省しました。長年に渡る外交官としてのキャリアの中で、国連事務次長や各国大使などを歴任し、国際社会における日本の存在感を高める上で重要な役割を果たしました。特に、核軍縮問題への深い関与は、氏の外交活動における大きな特徴です。

早期キャリアと外務省での活躍

外務省入省後は、英語研修のためアメリカ合衆国アマースト大学に留学。帰国後、外務省では国連外交と経済分野を主に担当しました。欧亜局西欧第二課長、情報調査局企画課長、経済局審議官、軍備管理・科学審議官など、本省における要職を歴任。宮澤喜一外務大臣や須之部量三外務事務次官の下で大臣秘書官や担当秘書官を務めた経験も持ちます。

在外公館勤務においても、アメリカ、ジュネーブ、イスラエル、国連、フィリピンなど、多様な地域で勤務経験を積みました。駐ボストン総領事、ウィーン国際機関日本国政府代表部大使、駐サウジアラビア大使などを歴任し、幅広い外交経験を有しています。

国際連合事務次長としての貢献

2003年、阿部氏は外務省から国際連合に転じ、軍縮を担当する事務次長に就任しました。これは日本人として5人目の快挙でした。コフィー・アナン事務総長の下で、世界各国の軍備縮小に向けた活動を主導しました。国際連合軍縮局を率い、核拡散防止条約運用会議における複雑な議論の取り纏めなど、困難な課題にも果敢に取り組みました。2006年に事務次長を退任した後も、外務省に復帰し、駐スイス大使（駐リヒテンシュタイン大使兼務）として活躍しました。

外務省退官後も続く活躍

2008年に外務省を退官した後も、阿部氏は精力的に活動を続けました。日本国際問題研究所軍縮・不拡散促進センター所長に就任し、日本の安全保障政策に貢献。ハーバード大学国際問題研究所研究員、上智大学法学部、東京大学社会情報研究所の非常勤講師も務め、教育・研究活動にも携わりました。

国際連合軍縮諮問委員会委員、ジュネーブ安全保障政策センター諮問委員会委員、イギリスの国際戦略研究所会員など、数々の国際機関や研究機関で重要な役割を果たしました。2014年には内閣府原子力委員会委員長代理に就任し、日本の原子力政策にも関与しました。

まとめ

阿部信泰氏のキャリアは、日本の外交官としての卓越した能力と、国際社会への貢献を鮮やかに示しています。国連での活動、各国大使としての経験、そして外務省や国際機関での要職歴は、氏の幅広い知識と経験を物語っています。核軍縮問題への継続的な関与は、国際平和と安全保障への氏の強い意志を示しており、日本の外交史において重要な役割を果たした人物と言えるでしょう。氏の功績は、日本の外交のみならず、国際社会全体に大きな影響を与えたことは間違いありません。長年に渡る献身的な活動は、未来世代への貴重な遺産となるでしょう。

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