阿部奈々美

阿部 奈々美：フィギュアスケートコーチ兼振付師

阿部 奈々美（あべ ななみ）は1972年10月11日に生まれ、日本のフィギュアスケート界において重要な役割を果たすコーチ兼振付師です。宮城県仙台市で育ち、3歳からスケートを開始し、長久保裕氏の指導のもとで女子シングル選手として活動しました。彼女は高校3年生と大学4年生の時に全日本選手権に出場し、競技者としてのキャリアを築いていきました。

大学卒業後、1995年にアマチュア選手としての活動を終え、ディズニー・オン・アイスに参加します。ショーの振付師であるサラ・カワハラから多大な影響を受けながら、ツアーのない期間には長久保氏のアシスタントとして振付や指導に携わりました。

2001年11月にツアーを引退してからは、仙台を拠点にコーチと振付師としての活動を本格化させました。特に荒川静香や田村岳斗といった選手の振付を担当し、彼女の指導のもとで数々の選手が成功を収めています。中でも、彼女は荒川静香のサブコーチとして2004年にアメリカに渡り、著名なコーチであるタチアナ・タラソワやエフゲニー・プラトフから技術と演技の指導を学びました。この経験は、彼女の指導スタイルに大きな影響を与えました。

さらに、羽生結弦選手の指導を行い、彼を2010年世界ジュニア選手権での優勝や2012年世界選手権での銅メダル獲得へと導く重要な役割を果たしました。また、宮城FSCの代表としても活動しています。羽生選手との師弟関係が解消された後も、彼女は国別対抗戦でのチームJAPANのグループナンバーの振付を担当するなど、その存在感を示しています。

2014年にはNHKの「花は咲く～羽生結弦Ver.～」の振り付けを担当し、さらにそのメイキングを追ったドキュメンタリー番組にも出演しました。これにより、彼女の振付師としての活動がより広く認知されるようになりました。

また、私は彼女の夫である吉田年伸にも注目したいと思います。彼は建築業に従事していましたが、妻を支えるために独学でスケート靴の調整技術を習得し、教え子のために靴の調整を行い始めました。現在では泉区のアイスリンク仙台の隣に工房を併設したショップを開業しています。羽生選手も依然として彼の技術を信頼し、小包で靴を送ったり帰国時に調整を依頼することがあります。

さらに、吉田氏は東北フリーブレイズのエキップメント・マネジャーとして活動し、日本代表のスケート靴も担当しています。このように、彼らの家族のつながりやお互いを支え合う姿勢は、フィギュアスケート界でも特筆すべきものです。

阿部奈々美は、これまでのキャリアを通じて多くの選手たちに影響を与え続けています。彼女の振付スタイルや指導方法は、今後のフィギュアスケート界においても多くの人々に喜びをもたらすことでしょう。

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