阿部正外

阿部 正外（あべ まさと/まさとう）

概要

阿部正外は江戸時代後期に活躍した旗本から、譜代大名、さらには老中として幕閣の中核を担った政治家である。彼は陸奥国白河藩の第7代藩主であり、忠秋系阿部家の一員としてその名を歴史に刻んだ。彼の生涯は幕末の動乱の中での政治的挑戦や外交交渉に満ちていた。

生涯

幕府での活動初期

正外は文政11年（1828年）、父・阿部正蔵の次男として江戸で生まれた。彼は初め3000石の旗本として、父の死後にその家督を継承することとなる。特に江戸幕府の大老である井伊直弼に重用され、重要な役割を果たした。

安政6年（1859年）には公武合体政策を推進するため、和宮の江戸下向に関する朝廷との交渉に携わる。また、万延元年（1860年）には直弼の死後も朝廷との協議を続け、文久元年（1861年）には神奈川奉行に就任するなど、次々に大役をこなしていった。

白河藩主への道

元治元年（1864年）、阿部正外は幕府の命により白河藩を相続し、10万石の大名となる。藩の主となった彼は、その地位を確立するための軍制改革や外交交渉に尽力した。特に、白河藩の軍制を洋式に改める取り組みは彼の特徴であり、藩兵に対する洋式訓練の導入に力を入れた。

その後、家茂の上洛をサポートするために自らも兵を率いて京に上り、幕府の意向を受けて朝廷との交渉に携わる。しかし、彼らの動きは朝廷の反感を招き、最終的には阿部自身の謹慎処分へとつながる。

隠居生活と戊辰戦争

慶応元年（1865年）以降、彼は重圧と政治的逆境に直面する。1866年には隠居を強いられ、その後の戊辰戦争では明治新政府側と戦うこととなった。彼は奥羽越列藩同盟と連携し、内戦を経て白河城と棚倉城の防衛を試みるが、次第に新政府軍に圧倒され、やがて降伏を余儀なくされる。

その結果、藩領は減封され、彼の政治家としてのキャリアは終焉を迎えた。明治20年（1887年）、彼は東京で息を引き取り、享年59。彼の遺体は多磨霊園に葬られた。

家族

阿部正外は、正室に千代を迎え、長男の正静などの子女を持った。彼の家族は、今後の阿部家の歴史にも影響を与えることとなる。

まとめ

阿部正外の生涯は、幕末の混沌とした時代の中で、彼自身が直面した数々の政治的挑戦と成果によって描かれる。彼の名は、政治家としての功績とともに、幕末の歴史の中で不朽のものとなっている。

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