阿里山郷

阿里山郷について

阿里山郷（アリサン/ありさん-きょう）は、台湾南部の嘉義県に位置する郷です。嘉義県の東部に広がり、県内で最も広い面積を誇ります。北は南投県、東は高雄市や南投県、西は梅山郷や竹崎郷など、多くの地域と隣接しています。嘉義市への通勤率は約22.5％となっています。

地理

阿里山郷は、山岳地帯に位置しており、豊かな自然に恵まれています。山々が連なり、森林が広がる美しい景観が特徴です。多様な動植物が生息しており、自然愛好家にとっても魅力的な場所です。

歴史

阿里山郷の歴史は、漢民族の入植と原住民ツォウ族との関わりの中で形作られてきました。明末の鄭成功時代から漢民族の入植が始まり、清代には嘉南平原の開発が進むにつれて、新たな土地を求めて阿里山地区にも漢民族が進出しました。この過程で、先住民族であるツォウ族との衝突が起こりました。漢民族は、現在の奮起湖や瑞里といった集落を形成し、ツォウ族は山地へと活動拠点を移しました。この時期に生まれた「呉鳳神話」は、漢民族によるツォウ族教化の物語として知られていますが、原住民からは否定的な評価を受けています。

日本統治時代には、ヒノキの伐採のために阿里山森林鉄道が建設され、大量の木材が伐採されるとともに、観光インフラが整備されました。この鉄道は現在も観光資源として活用されています。

1946年、中華民国政府は呉鳳の「捨身取義」の行為を称え、この地を「呉鳳郷」と改称しました。しかし、1987年、ツォウ族による原住民差別政策の撤廃と郷名の変更を求める運動が起こり、1989年に現在の「阿里山郷」に改称されました。

経済

阿里山郷の主な産業は、農業と観光です。

農業

山岳地帯の気候を生かしたプランテーション農業が盛んで、茶、コーヒー、ワサビ、薤などが栽培されています。特に阿里山茶は、台湾を代表する高級茶として知られています。

観光

阿里山郷は、阿里山国家風景区をはじめとする多くの観光スポットを有しています。美しい自然景観やツォウ族の文化に触れることができ、国内外から多くの観光客が訪れます。

行政区

阿里山郷は、複数の村から構成されています。

教育

郷内には、複数の国民小学（小学校）があります。

嘉義県立香林国民小学
嘉義県立來吉国民小学
嘉義県立十字国民小学
嘉義県立山美国民小学
嘉義県立茶山国民小学
嘉義県立新美国民小学
嘉義県立達邦国民小学
嘉義県立楽野国民小学
嘉義県立豊山国民小学

交通

阿里山森林鉄道は、阿里山郷へのアクセス手段として重要な役割を果たしています。また、バスやタクシーも利用可能です。

観光スポット

阿里山郷には、以下のような観光スポットがあります。

阿里山国家風景区：阿里山を代表する観光地。日の出や雲海が有名。
祝山：阿里山で最も高い場所で、ご来光の名所。
茶山卓武山風景区：茶畑が広がる美しい景観が楽しめる。
達娜伊谷：ツォウ族の文化を体験できる。
来吉村風景区：自然豊かな村の景観。
豊山村風景区：山村の風景が楽しめる。

舞台となった作品

映画

「阿里山の侠児」

外部リンク

* [阿里山]]郷公所：阿里山郷オフィシャルサイト（中国語・英語）[https://www.alishan.gov.tw/

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