陳応

陳応について

陳応（ちん おう）は、中国の著名な通俗歴史小説『三国志演義』に登場する架空の武将として知られています。この作品の中で彼は、後漢末期の桂陽太守である趙範の部下として描かれています。腕利きの武将としてのスキルを持ち、特に飛叉という武器の使い手として登場します。この武器は鎖の先につけられた叉（さすまた）が特徴で、独特な戦闘スタイルを生み出します。

物語の背景

物語の舞台は後漢末期にさかのぼります。この時代は権力闘争が激化しており、多くの武将たちが自らの勢力を拡大しようと争っています。陳応は趙範に仕立てられ、共に戦を繰り広げていました。彼の同僚、鮑隆と共に陳応は元は猟師であり、そのための戦闘技術を持っているとされています。

趙雲との対峙

物語のハイライトは、陳応が桂陽に攻め入った趙雲に立ち向かう場面です。趙範は降伏を考えますが、陳応はこれに反対し、彼を説得します。そして陳応は三千の軍勢を指揮して趙雲に戦いを挑むのです。しかし、戦闘は思ったほどうまくいかず、陳応はほとんど数合で敗れ、逃げ出すことになってしまいます。

陳応の捕縛とその後

陳応は逃げる際に、飛叉を投げつけて抵抗しますが、趙雲にあっけなく捕らえられ、平謝りをします。その後、趙範も仕方なく降伏することに。しかし、この後の展開が物語はさらに複雑化させます。趙範は自身の兄嫁を趙雲の妻に推薦し、この行動が引き起こした不義に怒った趙雲は、趙範を殴ってしまいます。

この恨みを晴らすため、趙範は陳応と鮑隆を呼び寄せ、慰問の名目で趙雲の暗殺を企てます。しかし、計画が進んでいないうちに、二人は酒を勧められ、そのまま眠ってしまいます。結果、趙雲に捕らえられ、部下が暗殺計画を暴露することになったため、陳応と鮑隆は斬首の運命を辿ることになりました。

陳応の家系

なお、陳応の家系について言及すると、彼には同じ名前の人物、陳珪の子であり、陳登の兄弟にあたる者が存在します。この人物は、袁術によって人質として扱われ、父に対して袁術に従うように要求されましたが、これを拒否します。このエピソードも、『後漢書』の「陳球伝」に記載されています。

このように、陳応は『三国志演義』の中で複雑な運命を遂げた武将として描かれ、その悲劇的な結末が読者の心に残ります。

もう一度検索