陳霸先

陳霸先（ちん はせん）

陳霸先は、南朝陳の初代皇帝であり、「梁上の君子」の故事で知られる潁川陳氏の陳寔の末裔を称しました。

人物

陳霸先は、身長が七尺五寸（約172cm）と背が高く、額が隆起した龍顔という堂々とした風貌で、手を伸ばすと膝を過ぎるほどであったと伝えられています。

生涯

陳霸先は、呉興郡長城県（現在の浙江省湖州市長興県）の出身です。彼の祖先は代々潁川郡に住んでいましたが、西晋末期の永嘉の乱の際に南へ移住しました。その後、東晋の咸和年間に戸籍が長城県に登録されました。

南朝梁の軍人として頭角を現し、太清元年（547年）には交州で反乱を起こした李賁を討伐する功績を挙げました。侯景が反乱を起こした際には、王僧弁と協力して承聖元年（552年）にこれを鎮圧し、征北将軍に任じられました。

承聖3年（554年）に元帝が西魏とその傀儡である後梁の軍によって殺害されると、陳霸先は王僧弁と共に敬帝蕭方智を擁立しました。しかし、その後、北斉が閔帝蕭淵明を皇帝として送り込むと、陳霸先は閔帝を支持する王僧弁と対立し、天成元年（555年）には王僧弁を討って閔帝を廃位し、敬帝を擁立して実権を掌握しました。さらに、南下してきた北斉の大軍を打ち破るなどして、実力と人望を高めました。太平2年（557年）に敬帝に禅譲を迫り、南朝陳を建国しました。なお、敬帝は同年中に殺害されています。

しかし、即位後は、自らが討った王僧弁の残党による反乱に苦しみ、その鎮圧に追われる日々を送りました。そのため、国家の基盤を固めることができず、生涯を終えました。

妻子

正室：銭氏（贈昭皇后）
長男：孝懐太子 陳克
皇后：章要児（宣皇后）
四男：衡陽献王 陳昌
生母不詳の子女：
次男：豫章献王 陳立
三男：長沙思王 陳権
皇女：永世公主 - 銭蕆の妻
皇女：会稽公主 - 沈君理の妻

関連項目

侯景の乱
* 交州

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