陶隆弘

陶隆弘（すえ たかひろ）は、戦国時代の武将であり、大内氏の家臣である陶氏の一族に名を連ねています。父は陶隆康、弟には宇野元弘がいます。

隆弘は父である隆康と共に大内義隆に仕えました。天文20年（1551年）、大内氏内部で大きな変事が起こります。陶隆房（後の陶晴賢）を中心とする武断派が反乱を決行し、主君である義隆を討つために居城である富田若山城から兵を動かしました。

この事態に対し、隆弘は父・隆康と共に主君・義隆を守るべく護衛として行動を共にします。陶隆房の侵攻を知った義隆は、大内氏館である築山館を離れ、少しでも防戦に有利な場所として山麓の法泉寺に退いて防御を固めました。しかし、法泉寺に集まった義隆軍からは逃亡兵が相次ぎ、義隆はついに山口を放棄し、長門国へと逃れることを決意します。

同年8月28日、隆康は嫡男である隆弘と共に、法泉寺において殿（しんがり）を務め、壮絶な戦いの末に戦死しました。主君を守るために最後まで戦い抜いた隆弘の忠義は、後世に語り継がれています。

関連事項：

* 大寧寺の変

隆弘の生涯は、戦国時代の動乱の中で、主君への忠義を貫き、命を捧げた武将の姿を今に伝えています。

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