久里浜駐屯地

久里浜駐屯地について

久里浜駐屯地は、神奈川県横須賀市久比里に所在する陸上自衛隊の駐屯地です。この地は、旧海軍通信学校の開設から始まり、警察予備隊、保安隊、そして陸上自衛隊へと組織が変遷する中で、通信・情報分野において重要な役割を果たしてきました。現在は、陸上自衛隊システム通信・サイバー学校が置かれ、サイバー戦能力の向上に注力しています。また、歴史館も併設されており、旧海軍時代からの通信機器や資料が展示されています。

沿革

久里浜駐屯地の歴史は、1939年に旧日本海軍の通信学校として開設されたことに始まります。終戦後は米軍に接収され、一時復員局としても使用されました。その後、東京水産大学の誘致を経て、1950年に警察予備隊久里浜部隊が創設され、自衛隊の前身となる組織がこの地に根を下ろしました。

1951年には、第1管区総監部分室や警察予備隊総隊学校が設置され、部隊の編成や教育訓練が行われるようになりました。その後、保安隊の発足に伴い、総隊学校は幹部学校、業務学校、通信学校、衛生学校、普通科学校に分割再編されました。1954年には、防衛庁が設置され自衛隊が発足し、保安大学校は防衛大学校に改称されました。

1955年以降は、通信群の改編や移駐が相次ぎ、1960年代には臨時特別通信隊が編成され、通信標定隊へと改編されました。1980年代には通信標定隊が移駐し、新たな部隊が編成されました。2000年代に入ると、通信運用大隊の改編や移駐が行われ、2017年には女性自衛官教育隊の一部が分駐し、自衛官候補生課程（女子）が開始されました。2024年には陸上自衛隊通信学校が「陸上自衛隊システム通信・サイバー学校」へと改称され、現在に至ります。

駐屯部隊・機関

久里浜駐屯地には、以下の部隊・機関が駐屯しています。

陸上自衛隊システム通信・サイバー学校: 陸上自衛隊の情報通信、サイバー戦に関する教育・研究の中核を担う機関です。
通信教導隊: システム通信・サイバー学校の教育を支援する部隊です。
警務隊: 駐屯地内の警備・秩序維持を担う部隊です。
東部方面警務隊 第129地区警務隊: 広範囲な警務活動を担う部隊です。
システム通信団 中央野外通信群: 野外における通信を確保する部隊です。
東部方面後方支援隊 通信教育直接支援中隊: システム通信・サイバー学校の教育を後方から支援する部隊です。
東部方面システム通信群 第105基地システム通信大隊、第316基地通信中隊: システム通信を担う部隊です。
久里浜派遣隊: その他、各種支援任務を担う部隊です。

広報展示施設

駐屯地内には歴史館が併設されており、旧海軍時代からの通信装備や、陸上自衛隊の通信技術の変遷に関する資料が展示されています。これにより、通信の歴史や技術を学ぶことができます。

アクセス

久里浜駐屯地へのアクセスは、以下の通りです。

高速道路: 横浜横須賀道路 佐原IC
一般道: 国道16号、国道134号、神奈川県道26号横須賀三崎線、神奈川県道27号横須賀葉山線
鉄道: JR東日本横須賀線 久里浜駅、京急久里浜線 京急久里浜駅
港湾: 横須賀港（重要港湾）、久里浜港（地方港湾）

まとめ

久里浜駐屯地は、日本の情報通信、サイバー戦能力の向上に貢献してきた歴史ある駐屯地です。陸上自衛隊システム通信・サイバー学校を中心に、高度な専門知識を持つ人材育成が行われています。また、歴史館では通信の歴史を学ぶことができ、一般の方にも公開されています。

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