隅田川橋梁 (総武本線)

隅田川橋梁

隅田川橋梁は、東日本旅客鉄道（JR東日本）中央・総武緩行線（総武本線の支線）が隅田川を渡る際に利用する鉄道橋です。総武本線を両国駅から御茶ノ水駅まで延長する際に建設され、両国駅と浅草橋駅の間に位置しています。

橋の概要

この橋梁は、3径間で隅田川を跨いでいます。上部構造は、連続プレートガーダーで構成されており、側径間（1径間目・3径間目）にはヒンジが設けられたゲルバー桁が基本となっています。中央径間には、アーチ部材を組み合わせたランガー桁が採用されており、これが隅田川橋梁の外観上の大きな特徴となっています。

ランガー桁は、桁とアーチの双方で荷重を支える補剛アーチ形式の一種であり、日本ではこの隅田川橋梁で初めて採用されました。その設計は、当時の鉄道技術者たちの革新的な試みを物語っています。

橋梁のデータ

種別: 鋼鉄道橋
形式: 3径間ゲルバー下路式ランガー桁
橋長: 172m
支間: 38m + 96m + 38m
線数: 複線
活荷重: KS-15
鋼重: 1,365t
着工: 1931年2月
竣工: 1932年3月（昭和7年）
施主: 鉄道省
橋梁設計: 田中豊
橋桁製作: 横河橋梁製作所

位置情報

隅田川における隣の橋は以下の通りです。

上流: 蔵前橋 - 蔵前専用橋 - 隅田川橋梁 - 両国橋 - 首都高速6号向島線両国大橋
下流: （なし）

総武本線における位置は以下の通りです。

上り: 御成街道架道橋 - 昭和橋架道橋 - 隅田川橋梁 - 荒川放水路橋梁 - 中川放水路橋梁
下り: （なし）

参考文献

成瀬輝男編『鉄の橋百選－近代日本のランドマーク』東京堂出版、1994年9月。
小野田　滋『鉄道構造物探見　トンネル、橋梁の見方・調べ方』JTBパブリッシング、2005年。ISBN 4533041019。
小野田滋「隅田川に映える　総武本線・隅田川橋梁」『鉄道ファン』、交友社、2009年2月。

関連事項

アーチ橋

外部リンク

* 歴史的鋼橋隅田川橋梁 - 土木学会

隅田川橋梁は、その独特な構造と美しい景観で、多くの人々に愛されています。鉄道の歴史と技術が融合したこの橋梁は、日本の近代化を象徴する存在と言えるでしょう。

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