隆の山俊太郎

隆の山 俊太郎の生涯

隆の山 俊太郎（たかのやま しゅんたろう、1983年2月21日生まれ）は、チェコ共和国のプラハ市出身で、田子ノ浦部屋に所属していた元大相撲力士です。本名はパヴェル・ボヤル（Pavel Bojar）。現役時代は身長186センチ、体重101キロで、得意手は左四つ、上手投げ。最高位は西前頭12枚目で、2012年7月場所に達しました。愛称には本名に由来する「パヴェル」、または「パベル」があります。

入門までの道のり

パヴェルは、1983年にチェコスロバキア連邦（現在のチェコ共和国）のプラハで生まれました。彼は幼少期に父を亡くし、母子家庭で育ちましたが、7歳から柔道を始め、プラハ市内の国立スポーツギムナジウムに進学してその技術を磨きました。その後、相撲にも興味を持ち、2000年に東京の両国国技館で開催された世界ジュニア相撲選手権大会に出場し、期待以上の活躍を見せました。この成功がきっかけで、プロ相撲への挑戦を決意し、鳴戸部屋への入門を果たしました。

関取昇進に向けた努力

隆の山は2001年11月場所に初土俵を踏みましたが、長い道のりが待っていました。彼の成長は遅く、入門時の体重88キロから5年後もたった3キロしか増加しませんでした。そのため、師匠の鳴戸親方は様々な方法で体重を増やす手助けをしました。結局、彼の頑強な筋肉質の体格は、相撲界での競争において不利に働くこともありました。

2008年にはようやく幕下に定着し、2011年5月に新十両昇進を果たしました。彼は西十両5枚目で迎えた翌7月の場所では、目覚ましい活躍により10勝5敗の成績を収め、新入幕を果たしました。これにより、彼は舞の海以来の100キロ未満の幕内力士となりました。しかし、幕内での厳しい壁が徐々に彼を苦しめることとなります。

幕内での挑戦と低迷

隆の山は、幕内で魅力ある取り口を見せたものの、軽量ゆえにしばしば壁に直面しました。2012年から彼の成績は低迷し、連続して負け越す時期が続きました。それでも却って調子を取り戻した瞬間もあったものの、10勝5敗の後は連続で負け越すなど、その運命は厳しいものでした。

2013年には14場所連続で関取としての座を失うことが決まります。この頃にはインスリン投与の問題も報じられ、相撲界における活動に影響を与えました。隆の山は幕内での難しさを認識し、数度にわたる十両昇進と降格を経験しました。

引退後の展望

隆の山は2014年7月に引退を発表しました。引退会見では、かつての師匠に感謝の意を述べ、思い出深い取組を振り返る姿がありました。引退後は日本に留まらず、母国チェコへ帰国し、日本語を活かして新たな職業に就くことを希望しています。

取り口と成績

彼の取り口は、正攻法である真っ向勝負が特徴でした。軽量であるにもかかわらず、高い機動力を利用した相撲が評判でした。しかし、体力が衰えた時点で成績が落ち込む結果に繋がりました。引退時の通算成績は、325勝318敗と勝率は505％を記録しました。幕内での成績は26勝49敗、高い機動力を生かした取り組みの中でも数度の成功と失敗が伴っていました。

隆の山は、相撲の世界での異国人力士としての挑戦と成長、その後の人生での新たな道を切り開く姿勢は、多くの人々に勇気と感動を与える存在でした。

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