隆安

隆安（りゅうあん）は、東晋の安帝、司馬徳宗の治世において使用された最初の元号であり、397年から401年までの期間を指します。

隆安年間の出来事

隆安年間は、東晋国内で様々な事件が発生した時代でした。

隆安元年（397年）: 元日の1月1日に改元が行われました。しかし、その年の4月には、王恭、殷仲堪、桓玄らが反乱を起こし、国内は騒乱状態となりました。
隆安2年（398年）: 9月には、反乱軍の主要人物であった王恭が殺害されました。12月には、五斗米道の指導者であった孫泰が処刑されるなど、政治的な緊張が続きました。
隆安3年（399年）: 10月には、処刑された孫泰の甥である孫恩が反乱を起こし、洛陽が後秦の姚興によって奪われました。11月には、孫恩が会稽を攻略するなど、反乱の勢いは増していきました。12月には、桓玄が江陵を占拠し、更なる混乱を招きました。
隆安5年（401年）: 6月には、孫恩が丹徒にまで進出し、首都建康を脅かしましたが、劉裕によって撃退され、逃走しました。
隆安6年（402年）: 3月には、臨海郡を侵略した孫恩が官軍に追撃され、敗北し死亡しました。しかし、3月4日には、元号が元興元年に戻されるという事態が発生しました。

隆安年間の特徴

隆安年間は、東晋の国力が衰退し、社会不安が増大した時代でした。各地で反乱が頻発し、政治的な混乱が続いたため、安定した統治を行うことができませんでした。また、五斗米道などの宗教勢力が台頭し、社会に大きな影響を与えるようになりました。この時代の混乱は、後の東晋の滅亡にも繋がる要因となりました。

参考文献

李崇智『中国歴代年号考』（中華書局、2004年）

関連項目

* 元号一覧 (中国)

もう一度検索