隈部親泰

隈部親泰（くまべ ちかやす）

隈部親泰は、生年不詳ながら、戦国時代から安土桃山時代にかけて肥後国で活躍した武将です。別名として親安、源次郎、式部大輔を名乗り、資料によっては山鹿親安とも記されています。隈府城と城村城の城主を務めました。

生涯

隈部親泰は、隈部親永の子として生まれました。父によって城村城に配され、当時の所領は1,900町と推定されています。天正12年（1584年）9月、島津氏が肥後に侵攻すると、親泰は同月14日に城氏を通じて島津氏に降伏を打診し、人質を差し出してその傘下に入りました。

しかし、天正15年（1587年）6月に九州征伐が終了すると、豊臣秀吉によって所領は大幅に削減され、900町のみを安堵されました。この処遇に不満を抱いた親泰は、同年に父と共に肥後の新領主となった佐々成政に対して反旗を翻し、肥後国人一揆の中心人物として肥後北部の反乱を主導しました。

山鹿重安や有働兼元らと共に城村城に籠城しましたが、同年末には安国寺恵瓊の説得に応じて開城しました。降伏後は毛利氏に預けられ、翌年豊前国小倉にて有働兼元らと共に処刑されました。法名は泰雲です。

隈部氏

隈部氏は、肥後国を拠点とした国人です。親泰の他にも、多くの武将を輩出しています。

脚注

隈部親泰は、戦国時代末期から安土桃山時代初期にかけての激動期を生きた武将でした。その生涯は、当時の地方武士の複雑な立場と、中央権力との関係を映し出していると言えるでしょう。

参考文献

阿倍猛・西村圭子編『戦国人名事典』（新人物往来社、1987年） ISBN 4-404-01412-0
峰岸純夫・片桐昭彦編『戦国武将・合戦事典』（吉川弘文館、2005年） ISBN 4642013431
松本寿三郎他『熊本県の歴史』（山川出版社、1999年） ISBN 4-634-32430-X

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