雙林寺 (渋川市)

雙林寺

群馬県渋川市にある曹洞宗の寺院、雙林寺は最大山春日院と称し、釈迦如来を本尊とします。

歴史

寺の創建は室町時代中期、文安4年（1447年）または宝徳2年（1450年）と伝えられます。上野国守護上杉憲実の家宰であった長尾景仲が開基となり、月江正文禅師が開山しました。その後、沼田氏、小幡氏、武田氏、長野氏など、戦国大名らが護持しました。

特に15世紀から16世紀にかけて、雙林寺は全国に知られる禅修行の中心地として隆盛を極めました。寺の高僧10人が主宰する禅問答には、各地から多くの修行者が集まり、教勢は拡大。「雙林寺の水を飲まずして禅僧にあらず」とまで言われるほどの権威を誇り、一時は2000人もの雲水を抱えたといいます。

近世においても勢力は衰えず、延享4年（1747年）の記録では、東北から九州に至るまで、769ヶ寺に及ぶ末寺を擁しました。また、曹洞宗本山である總持寺と最乗寺への輪番僧派遣（輪住制度）が近代まで続きました。

さらに、上野、信濃、越後、佐渡の四箇国にわたる曹洞宗寺院を統括する「四箇国僧録之上」という最高位の行政職を担いました。この寺務を支えるため、周辺の7つの有力寺院（近門7ヶ寺）から交代で僧侶が派遣される体制でした。江戸時代の朱印地は30石でした。

明治維新以降、僧録制度や末寺制度、輪住制度、近門制度は廃止され、雙林寺は独立した一寺院となりましたが、その歴史的重要性は今も変わりません。

文化財

多数の文化財が伝わります。

群馬県指定文化財
重要文化財：雙林寺 7棟（建造物、2024年指定、附指定：棟札 3枚）、長尾昌賢木像
天然記念物：千本カシ、大カヤ
史跡：鳥酔翁塚
渋川市指定文化財
重要文化財：木喰仏
* 天然記念物：ヒイラギモクセイ

所在地

現在の所在地は、群馬県渋川市中郷2399です。

もう一度検索