離線

離線（りせん）についての詳細

離線とは、鉄道車両が電力供給を受けている架線や第三軌条との接触が外れる現象を指します。この現象が起こると、鉄道車両の集電装置が供給される電力を適切に受け取れなくなりますが、特にその原因や影響は多岐にわたります。

離線の原因

離線の原因にはいくつかの要因が挙げられます。特に地上側の要因としては、架線の張力が弱い、あるいは一定でないことが影響します。一方で、車両側の要因には、移動速度が速すぎたり、集電装置の剛性が低かったり、また車両の重量が大きい場合において、集電装置が柔軟に動けず、十分に追従できなくなることが含まれます。さらに、剛体架線や第三軌条のように動きが制約される場合でも、列車の速度が上がるにつれて離線の発生頻度は増加します。

離線が電力供給系に与える影響

離線が発生した際には、集電装置と電力供給線の間にアークが発生することがあります。このアークは架線や第三軌条に損傷を与える可能性があり、電力供給の安全性に影響を招くおそれがあります。

車載機器への影響

離線の際、車両の室内灯や空調機器が停止してしまうこともあります。特に、静止形インバータ（SIV）を用いる車両ではこの影響が顕著です。逆に、電動発電機（MG）を活用する場合は、回転数に慣性が働くため、急激に電力が落ちることは少なく、この状況が起こることはあまりありません。特にJR西日本の223系電車1000番台では、初期の運用において頻繁に室内灯と空調が停止する問題が報じられました。その結果、JR西日本は架線の強化といった対策を講じ、発生頻度は減少しましたが、今でもまれにこの問題が見受けられます。また、223系では離線時に点灯する蛍光灯が1両あたり3箇所設置されており、離線した際にはバッテリーでその蛍光灯を点灯させています。

回生失効のリスク

さらに、離線がもたらすもう一つの問題は、回生ブレーキを装備した車両における回生失効です。これを防ぐために、一般的に1編成につき集電装置は2基以上が設置されることが推奨されており、例えば京王6000系電車のクハ6750形は自車が電動車でなくてもパンタグラフを設置しています。このように、離線現象は数多くの側面から影響を及ぼすため、鉄道運営において非常に重要な課題となっています。

このような状況から、離線を防ぐためのさまざまな技術や管理手段が求められています。鉄道業界の進化とともに、この問題に対する対策も進んでおり、より安全でスムーズな運行が実現されることが期待されます。

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