難波功士

難波功士：広告とメディアを社会学的に探求する研究者

難波功士氏は、1961年大阪府大阪市生まれの社会学者です。関西学院大学社会学部教授として、広告論とメディア史を専門に、活発な研究活動と教育活動に携わっています。

学歴とキャリア

大阪府立三国丘高等学校卒業後、京都大学文学部（日本近世史専攻）を卒業（1984年）。その後、博報堂に入社し、企業の広告戦略に関わりました。その後、東京大学大学院社会学研究科修士課程を修了（1993年）し、学術研究の道を歩み始めます。関西学院大学社会学部において、専任講師（1996年）、助[[教授]]（2000年）を経て、2006年から教授として現在に至ります。

研究テーマと業績

難波氏の研究は、広告とメディアを社会学的な視点から多角的に分析することに焦点を当てています。太平洋戦争期の広告技術、戦後のユースカルチャー、メディアの変遷、現代の若者を取り巻く社会問題など、幅広いテーマを扱っています。単著『撃ちてし止まむ――太平洋戦争と広告の技術者たち』では、戦争と広告の関係に切り込み、大きな反響を呼びました。また、『族の系譜学――ユース・サブカルチャーズの戦後史』では、戦後日本の若者文化を詳細に分析し、高い評価を得ています。

さらに、現代社会の諸問題についても積極的に研究に取り組んでいます。若者の就職活動や「評価」社会へのアンチテーゼを考察した著作も多数出版しており、現代社会が抱える問題点に対して鋭い洞察を示しています。

主要著書

難波氏は多数の著書、編著書を出版しており、その著作は、広告、メディア、社会学の分野において重要な参考文献となっています。主な著書を以下に挙げます。

単著

『撃ちてし止まむ――太平洋戦争と広告の技術者たち』（講談社）
『「広告」への社会学』（世界思想社）
『族の系譜学――ユース・サブカルチャーズの戦後史』（青弓社）
『創刊の社会史』（筑摩書房）
『ヤンキー進化論 不良文化はなぜ強い』（光文社）
『広告のクロノロジー――マスメディアの世紀を超えて』（世界思想社）
『メディア論』（人文書院）
『人はなぜ〈上京〉するのか』（日本経済新聞出版社）
『社会学ウシジマくん』（人文書院）
『大二病――「評価」から逃げる若者たち』（双葉社）
『「就活」の社会史――大学は出たけれど･･･』（祥伝社）
『広告で社会学』（弘文堂）

編著書（一部）

『米軍基地文化』（新曜社）
『メディア文化を読み解く技法――カルチュラル・スタディーズ・ジャパン』（世界思想社、阿部潔氏との共編著）
『博覧の世紀――消費／ナショナリティ／メディア』（梓出版社、福間良明氏、谷本奈穂氏との共編著）
『テレビ・コマーシャルの考古学――昭和30年代のメディアと文化』（世界思想社、高野光平氏との共編著）
『社会学入門』（ミネルヴァ書房、盛山和夫氏、金明秀氏、佐藤哲彦氏との共編著）
『広告の夜明け――大阪・萬年社コレクション研究』（思文閣出版、竹内幸絵氏との共編著）
* 『吉見俊哉論――社会学とメディア論の可能性』（人文書院、野上元氏、周東美材氏との共編著）

これらの著作は、歴史的な視点と社会的な視点の両方を組み合わせて、現代社会における広告とメディアの役割を深く考察しています。

論文

難波氏は数多くの論文を発表しており、それらは学術雑誌や研究機関のウェブサイトなどで公開されています。研究論文は、主に戦後日本のユースカルチャーやメディア文化に関するものが多く見られます。

まとめ

難波功士氏は、広告論とメディア史を専門とする社会学者として、長年にわたる研究活動を通じて、社会問題に対する鋭い洞察と、豊富な知見を示してきました。その著作は、社会学、メディア研究、広告研究の分野で高く評価されており、多くの研究者や学生に影響を与え続けています。

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