難波安組

難波安組の概要

難波安組（なんばやすぐみ）は、日本の暴力団組織で、大阪府堺市に本部を置いていました。指定暴力団山口組の二次団体として活動していましたが、2009年9月に解散しました。難波安組はその設立から解散に至るまで、多くの事件やドキュメンタリーに取り上げられるなど、日本の裏社会において特異な存在感を放っていました。

組織の設立と発展

難波安組は、1970年代後半から80年代初頭にかけての大阪の独立組織である土井組に傘下として設立されました。創設者は「難波安」として知られる松本安男で、後に小林治が跡を継ぎました。小林治は土井組を離脱し、その後三代目山口組の直参の桜井組傘下となります。しかし、1985年には桜井組が解散し、難波安組は同門の中野組と共に直参としての地位を確立しました。

ここで注目すべきは、1982年に発生した東組との抗争事件です。この事件によって、難波安組は武闘派として名を馳せ、山口組内でも存在感を示しました。

メディアへの露出

1989年には、関西テレビ制作のドキュメンタリー番組「実録 日本の裏社会～極道～」で、難波安組の内部を垣間見ることができる映像が放送されました。この番組ではノンフィクション作家の軍司貞則が取材を行い、組長の小林治や幹部たちにインタビューをしました。この放送では、組員の日常生活や組織内の人間関係が描かれ、視聴者にリアルな裏社会の一端を伝える内容となっていました。

組織の衰退と解散

しかし、難波安組は時が経つにつれて構成員の数が減少し、最盛期には500名以上の構成員がいたものの、終盤には数十人程度にまで減少しました。組長の小林治は病気療養を理由に引退を決断し、跡目継承は行われませんでした。2009年9月、組織は正式に解散となりました。

解散後、構成員の多くは山口組の他の団体へ移籍しましたが、特に神戸山口組を経て宅見組に参加したメンバーが目立ちました。組織が解散した後も、本部であった難波安綜合ビルは残っていましたが、立ち入りが禁止され、つまりは空き家の状態が続きました。2019年には周辺の建物とともに解体され、現在は更地となっています。

最後の出来事

組織の解散から数年後の2023年、小林治が死去したとの報道がありました。彼の死は、多くの人にとって難波安組の歴史を象徴する出来事だったと言えるでしょう。

歴代組長と幹部

難波安組の歴代組長には、初代が松本安男、そして二代目が小林治がいます。また、若頭には籠谷武と中西勝彦が名を連ね、相談役として鹿田次郎が存在していました。これらの人物たちは、組織の運営や対外的な交渉において重要な役割を果たしていました。

このように、難波安組は大阪の暴力団の中で多くの印象を残した組織であり、その存在と歴史は今なお語り継がれています。

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