雨宮昭一

雨宮昭一（あめみや しょういち、1944年 - ）は、日本の歴史学者、政治学者です。近現代日本政治史を専門とし、法学博士の学位を持っています。茨城大学名誉教授。

雨宮氏は、1920年代から1940年代にかけて存在した四つの政治潮流、すなわち国防国家派、社会国民主義派、自由主義派、反動派が、総力戦体制や戦後体制の形成に重要な役割を果たしたという独自の視点から研究を展開しています。これらの政治潮流が、どのように相互作用し、日本の政治や社会の変革を導いたのかを分析しています。

略歴

山梨県出身の雨宮氏は、1973年に東京大学大学院法学政治学研究科博士課程を修了しました。林茂氏に師事し、茨城大学教養部助教授、同人文学部教授を歴任しました。また、ハーバード大学客員研究員（1994年 - 1995年）、茨城大学地域総合研究所所長（1999年 - 2003年）を務めました。

2004年には茨城大学学長選に立候補しましたが、残念ながら落選しました。その後、2005年から獨協大学法学部総合政策学科教授、2007年からは獨協大学地域総合研究所所長を兼任しました。

さらに、雨宮氏は『山梨県史』編纂事業において、近現代部会の専門委員として貢献しました。地方史研究においても、その専門知識と分析力が活かされています。

研究内容

雨宮氏の研究の中心テーマは、近現代日本の政治史です。特に、戦時体制が形成されていく過程や、戦後の改革がどのように進められたのかについて、深い洞察と詳細な分析を加えています。総力戦体制下における政治や社会の変容、そして戦後改革の意義と限界について、多角的な視点から考察しています。

著書

雨宮氏は、その研究成果を数多くの著書として発表しています。主要な著書には、以下のようなものがあります。

『戦時戦後体制論』（岩波書店、1997年）
『近代日本の戦争指導』（吉川弘文館、1997年）オンデマンド版　2024年　ISBN 9784642736664
『総力戦体制と地域自治――既成勢力の自己革新と市町村の政治』（青木書店、1999年）
『シリーズ日本近現代史（7）占領と改革』（岩波書店［岩波新書］、2008年）

また、共著として

* （藤原彰）『現代史と「国家秘密法」』（未來社、1985年)

などがあります。

これらの著書を通じて、雨宮氏は近現代日本政治史における重要な問題を提起し、歴史研究に大きな影響を与えています。雨宮氏の研究は、現代社会を理解する上でも重要な視点を提供しており、その学術的貢献は高く評価されています。

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