雨山

雨山（あめやま）

雨山は、大阪府泉南郡熊取町に位置する標高312メートルの山であり、和泉山脈の端に位置します。

概要

雨山は、その名の通り、雨乞いの山として古くから地元の人々に信仰されてきました。山頂には雨山神社（雨山龍王社）が鎮座しており、日照りが続く旱魃の際には、麓の村人が雨乞いのためにこの山に登ったと伝えられています。現在でも毎年9月1日には、雨山山麓の熊取町成合地区で「八朔」という伝統行事が行われており、その文化は地域に深く根付いています。

南北朝時代には、雨山に山城が築かれていたことが確認されています。現在でもその城跡を見ることができ、雨山城と呼ばれています。南西400メートルに位置する土丸城と共に、紀州と泉州を結ぶ粉河街道（現在の大阪府道・和歌山県道62号泉佐野打田線）を扼する重要な拠点であり、南朝方・北朝方双方にとって戦略上重要な城であったため、両勢力の間で激しい争奪戦が繰り広げられました。現在も月見亭・千畳敷・的場・馬場跡と呼ばれる場所が残っており、当時の面影を偲ぶことができます。

現在、熊取町側の山腹は永楽ダムなどと共に、奥山雨山自然公園に指定されており、ハイキングや自然観察を楽しむことができます。

また土丸城と雨山城は、2013年（平成25年）10月17日に「土丸・雨山城」として国の史跡・日根荘遺跡の一部として追加指定されました。

雨山城

雨山城は、南北朝時代に築かれた山城で、標高312mの雨山の山頂に位置しています。粉河街道を監視する目的で築かれ、南朝方と北朝方の間で激しい攻防が繰り広げられました。現在でも、石垣や堀切などの遺構が残っており、当時の様子を偲ぶことができます。

脚注

参考文献

平井聖ほか 1981「土丸城・雨山城」『日本城郭大系』第12巻（大阪・兵庫）新人物往来社 pp.219-221

関連項目

雨山城

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