雪が谷検車区

雪が谷検車区

雪が谷検車区（ゆきがやけんしゃく）は、東京都大田区に設けられている、東急電鉄が管轄する車両基地です。

概要

東急電鉄の池上線および東急多摩川線で使用される全ての車両がこの検車区に配置されています。なお、東急世田谷線の車両については、同じく雪が谷検車区の組織下にある上町班が担当しています。

検車区の敷地は、雪が谷大塚駅寄りに広がる留置線や洗浄設備などを備えたエリアと、公道（雪が谷大塚第2号踏切）を挟んで位置する検車区の主要施設や管理棟のあるエリアの、大きく二つに分かれています。駅寄りの敷地には、車両を留め置くための留置線が5線設けられているほか、車両が通行するための通路線が1線、手作業での洗浄を行うための作業線が2線、自動車両洗浄装置が1基、さらに保線作業用の車両などを留置する線が2本配置されています。公道を挟んだ側の敷地には、屋根付きの検査場が2線あり、うち1線には車輪を削るための車輪転削盤が設置されています。このほか、3線の留置線、故障車両などの主要機器交換を行うための修繕線が1線、そして検車区の運営を担う管理棟が設けられています。修繕線には、重い機器の取り扱いに必要なクレーンや、台車の移動に用いられる台車トラバーサーなどが備えられています。

敷地全体の面積は約8,980平方メートル、建物の総面積は約2,030平方メートルを占めています。通常時は23編成が留置されていますが、終電後の最大収容能力は24編成、車両数にして72両に及びます。

歴史

雪が谷検車区の起源は、池上電気鉄道が開通した1922年（大正11年）10月6日に、現在の池上駅近くに小規模な車両基地が設置されたことに遡ります。当時は木造の小屋に2線が設けられた簡素なものでした。1923年（大正12年）5月4日、池上電気鉄道が雪ケ谷駅（現在の雪が谷大塚駅）まで路線を延伸した際に、車両基地も調布大塚駅と御嶽山駅の中間付近へと移転しました。その後、1933年（昭和8年）6月1日に雪ケ谷駅と調布大塚駅が統合され、現在の雪が谷検車区がある場所へと再度移転し、「池上電気鉄道雪ケ谷電車庫」として新たに開設されました。

1934年（昭和9年）10月1日には、池上電気鉄道が目黒蒲田電鉄と合併したことにより、組織上は目黒蒲田電鉄の元住吉工場の雪ケ谷派出所となりました。その後、1943年（昭和18年）に東京急行電鉄（大東急）の一部となり、雪ケ谷工場へと昇格しました。

第二次世界大戦後、1948年（昭和23年）には、目蒲線、大井町線、池上線をまとめて管轄する車両基地として、奥沢に目黒検車区が新設されました。そして1951年（昭和26年）10月16日、東横線元住吉工場の拡張工事が完了したことに伴い、雪ケ谷工場で行われていた車両の定期検査や修繕業務は元住吉工場へ移管されました。同時に、池上線を専門に管轄する組織として、目黒検車区から雪ケ谷検車区が分離・発足しました（後に「雪が谷」と改称）。

1988年（昭和63年）9月16日、目蒲線を管轄していた奥沢検車区が雪が谷検車区に統合され、奥沢検車区は雪が谷検車区奥沢班（奥沢列車検査班）となりました。しかし、2000年（平成12年）8月6日に目蒲線が目黒線と東急多摩川線に系統分離されたことに伴い、雪が谷検車区奥沢班は廃止され、目黒線の車両は元住吉検車区所属となりました。これと同時に、これまで長津田検車区の組織として世田谷線を担当していた上町班が雪が谷検車区に移管され、雪が谷検車区上町班として再編成されました。旧雪が谷検車区奥沢班が使用していた奥沢の施設は、元住吉検車区奥沢車庫として現在に至ります。

所属車両

現在、雪が谷検車区には以下の車両が所属しています（2015年12月時点の文献に基づく情報）。

1000系（1500番台を除く）：3両編成 6本（計18両）
1000系1500番台：3両編成 10本（計30両）
* 7000系：3両編成 15本（計45両）

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