雲貴総督

雲貴総督は、清朝において雲南省と貴州省を統括した地方長官の官職です。満洲語では「yūnnan guijeo -i uheri kadalara amban」と表記されます。その役割は、管轄地域の軍事と民政の両方を統括することにありました。

沿革

雲貴総督の歴史は、清朝初期の1662年（康熙元年）に遡ります。当初は雲南総督と貴州総督が別々に設置され、それぞれの府が曲靖と安順に置かれました。しかし、1664年（康熙3年）には雲南総督が廃止され、貴州総督がその職務を兼任することになり、総督府も貴陽に移されました。

その後、1673年（康熙12年）には再び雲南総督に改称され、総督府は曲靖に戻されました。1687年（康熙26年）には、総督府が雲南府に移されています。

1732年（雍正10年）には、雲貴総督が広西省も管轄するようになり、その管轄範囲が一時的に拡大されました。しかし、1734年（雍正12年）には広西省が雲貴総督の管轄から外され、再び雲南省と貴州省の管轄に戻りました。

清朝末期の1905年（光緒31年）には、雲貴総督が雲南巡撫を兼任するようになり、その権限はさらに強化されました。

雲貴総督は、清朝の地方行政において重要な役割を果たし、雲南省と貴州省の安定と発展に貢献しました。その変遷は、清朝の地方統治政策の変化を反映しており、歴史研究においても重要なテーマとなっています。

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