雲霧仁左衛門 (1979年のテレビドラマ)

雲霧仁左衛門

『雲霧仁左衛門』は1979年7月3日から9月25日まで、関西テレビ（KTV）と松竹が共同制作した時代劇で、フジテレビ系列で放映されました。主演には俳優の天知茂が起用され、池波正太郎の同名小説を原作にしています。

放送履歴

番組は「火曜夜10時からの1時間枠」で放映され、その後も支持を受け続けました。2012年8月には、東京MXTVで再放送される際に4:3のノーマルサイズで放送された一方、同じ月にはCS放送の時代劇専門チャンネルで16:9のワイドスクリーンに再調整された素材で再放送されています。さらに、2013年2月22日には、ビクターエンタテインメントから4枚組DVDボックスもリリースされています。

主要キャラクター

雲霧仁左衛門

演じる天知茂の雲霧仁左衛門は、元・勢州藤堂藩士の辻伊織であり、全国に120名の配下と30の盗人宿を持つ大盗賊の頭です。彼は、独自の掟に従い「犯さず、殺さず、貧しき者からは奪わず」を信条としています。この掟を破った者には厳しい制裁が待ち受けています。一方で、組織が大きくなったことに若干の後悔を抱きながら、盗んだ金を配下に分け与えた後には、お千代と京での穏やかな生活を夢見ています。彼の趣味は煙管の収集と釣りです。

木鼠の吉五郎

二番手として仁左衛門を支えるのが、財津一郎が演じる木鼠の吉五郎です。彼は以前越後高田藩の藩士であり、浪人後に盗賊の世界に入った経歴を持っています。身軽な身体能力に優れる彼は、仁左衛門の信頼厚い小頭です。

七化けのお千代

大谷直子が演じるお千代は町女房から公家の奥方、さらに尼僧にまで変身する魅力的な女性です。仁左衛門との出会いは運命的で、彼を慕っています。

因果小僧六之助

江藤潤が演じる六之助は、幼い頃に仁左衛門に拾われた雲霧の配下です。彼はお千代に特別な感情を抱いています。

番組のテーマ

『雲霧仁左衛門』は、盗賊たちの友情や忠誠、仁左衛門の掟に基づく生き様が描かれています。仁左衛門は、彼自身の利益だけではなく、配下の生活を大切にし、彼らと共に生き抜く姿勢が視聴者に深い印象を与えました。彼の周りに集まる個性的な仲間たちが、それぞれの役割を果たしながら物語を彩ります。

制作スタッフ

本作は、原作に池波正太郎の作品を掲げ、監督には渡邊祐介、長谷和夫、岡林可典、村野鐵太郎、杉村六郎らが名を連ねています。また脚本は宮川一郎が手掛け、音楽には田中正史が起用されています。ナレーションを横内正が担当し、制作はKTVと松竹株式会社によって行われました。

この作品は、時代劇の中でも特に人間ドラマや倫理観が強く反映されており、今でも多くの視聴者に愛され続けています。特に仁左衛門の人物造形は、一般的な盗賊像とは異なり、正義感や仲間を思いやる心が強く描かれているのが特徴です。

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