雲龍久吉

雲龍 久吉（うんりゅう きゅうきち）

雲龍久吉は、1823年に筑後国山門郡大和村（現在の福岡県柳川市）で生まれました。本名は塩塚久吉で、後に佐藤喜太郎と名乗ります。彼は陣幕部屋から追手風部屋に所属し、横綱として大相撲界に名を馳せた第10代横綱です。

生い立ちと力士としての道

彼は半農半漁を営む家庭の長男として育ちましたが、1835年に流行した疫病で両親と祖母を次々に失いました。そのため、彼は生まれ持った怪力を駆使し、力仕事をしながら幼い弟妹を養うことを余儀なくされました。しかし、生活は厳しく、土地相撲で指導を受けた小櫻や箕嶋の助けを借りることで相撲の道へと進むこととなります。

1846年、彼は陣幕部屋に入門し、その後江戸に移り、追手風部屋の弟子となりました。1848年11月場所において、彼は幕下二段目付け出しで初土俵を踏み、柳川藩の抱え力士となりました。1853年2月場所で新入幕を果たすと、相次いで優れた成績を上げ、1858年には大関に昇進しました。そして、1861年9月場所においては吉田司家から横綱の免許を授与されました。

引退後と相撲界への貢献

1865年に体力の衰えから現役を引退し、その後年寄・追手風を襲名。相撲協会の筆頭として明治維新後の大相撲の復興にも尽力しました。彼は1890年6月15日に67歳でこの世を去りました。雲龍の手記によれば、彼は初代横綱「明石志賀之助」から第3代「丸山権太左衛門」までの公式横綱を認定した人物として評価されています。

横綱土俵入り「雲龍型」

雲龍は、横綱土俵入りの「不知火型」の考案者とされています。通説によれば、雲龍型と不知火型の呼称が入れ替わったという説があり、雲龍と不知火の両名の土俵入りが優雅であったために名前だけが後世に残ったという見解も存在しています。現在では、錦絵や写真を通して、彼らがどのような型で土俵入りを行っていたかが明らかにされています。

主な成績

雲龍の通算幕内成績は127勝32敗15分5預55休、勝率は0.799でした。彼の優勝相当成績は7回に達し、特に江戸相撲において卓越した功績を残しました。

終わりに

雲龍久吉は、彼の相撲界での活躍だけでなく、その他の多くの力士たちへも影響を与えた偉大な人物です。その業績は、今後も相撲界の歴史に名を刻み続けることでしょう。

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