零陵郡

零陵郡（れいりょうぐん）とは

零陵郡は、中国にかつて存在した郡であり、漢代から唐代にかけて、現在の湖南省南西部と広西チワン族自治区北東部にまたがる地域に設置されていました。

歴史

前漢時代：紀元前111年（元鼎6年）に零陵郡が設置されました。当時の零陵郡は荊州に属し、零陵、営道、始安、夫彝、営浦、都梁、泠道、泉陵、洮陽、鍾武の10県を管轄していました。王莽の時代には九疑郡と改称されました。
後漢時代：後漢が建てられると、再び零陵郡の名称に戻されました。この時代の零陵郡は、泉陵、営道、営浦、泠道、洮陽、都梁、夫彝、始安、重安、湘郷、昭陽、烝陽の13県を管轄していました。
晋時代：零陵郡は泉陵、祁陽、零陵、営浦、洮陽、永昌、観陽、営道、舂陵、泠道、応陽の11県を管轄していました。
南北朝時代（宋、斉）：南朝宋および斉の時代には、零陵郡は湘州に属し、泉陵、洮陽、零陵、祁陽、応陽、観陽、永昌の7県を管轄していました。
隋時代：589年（開皇9年）に隋が南朝陳を滅ぼすと、零陵郡は廃止され、永州に編入されました。しかし、607年（大業3年）に州が廃止されて郡が置かれると、永州は零陵郡と改称されました。この時の零陵郡は、零陵、湘源、永陽、営道、馮乗の5県を管轄しました。
唐時代：621年（武徳4年）に唐が蕭銑を平定すると、零陵郡は永州と改められ、零陵、湘源、祁陽、灌陽の4県を管轄しました。742年（天宝元年）には再び永州が零陵郡と改称されましたが、758年（乾元元年）に零陵郡は永州と改称され、零陵郡の呼称は姿を消しました。

このように、零陵郡は時代によってその管轄範囲や所属が大きく変動しました。その名称が用いられた期間は、中国の地方行政区画の変遷を理解する上で重要な要素の一つと言えるでしょう。

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