雷復

雷復（らい ふく、生年不詳 - 1474年）は、明代に活躍した官僚であり、軍人でもありました。字は景暘といい、その才能と人柄は多くの人々から尊敬を集めました。彼の出身は永州府道州寧遠県です。

雷復は1436年（正統元年）に進士に及第し、その卓越した能力が認められ翰林院庶吉士に任じられました。その後、彼は行人としての役目を果たしました。1448年（正統13年）には、陝西道監察御史に抜擢され、その才能をさらに開花させます。その後、広西副使に昇進し、蒼梧道を担当しました。この地で、藤県の民である胡趙成が、大藤峡の瑶族を集めて県治を攻撃するという事件が発生しました。雷復は参将の范信とともにこの反乱を鎮圧し、胡趙成を討ち取るという功績を挙げました。

成化初年、雷復は大臣たちの推薦により山東右布政使に抜擢されました。1471年（成化7年）3月には、北京に召還され、礼部右侍郎という重要な役職に任命されました。さらに1472年（成化8年）2月には、右副都御史に転じ、山西巡撫として赴任しました。前任の李侃の後を継いだ雷復は、その誠実で法を重んじる姿勢から、軍民双方の信頼を得ました。彼は、反乱軍を紅沙峁で撃破し、さらに煙寺溝・石人村でも打ち破るという武勇を示し、朝廷から奨励を受けました。

当時の山西では、洪水の被害が深刻でした。朝廷内では、陝西での軍事作戦のために兵糧を徴収し、楡林に輸送するという意見が上がっていました。しかし、雷復はこれに反対し、「山西から楡林までの道は非常に悪く、民間の交易も費用が高騰し、債務を返済できずに破産する者が続出している。さらに、季節外れの雨雪により、飢えた人々が病に苦しみ、さまよっている。彼らは食料や薬を必要としており、山東での例のように債務を免除し、官庫を開いて救済を行うべきである」と強く訴えました。この訴えは成化帝に受け入れられ、官庫の金が不足していることから、塩40万引の売却益で補填するという策を提案し、合わせて粟を納入した民に散官を授けるよう請願しました。これらの提案も成化帝に認められ、民は救済されました。

1474年（成化10年）5月、雷復は在官のまま亡くなりました。彼の死は、多くの人々に惜しまれました。雷復の生涯は、その卓越した能力と民を思う深い慈愛に満ちており、明代史にその名を刻みました。彼は、単なる官僚や軍人としてだけでなく、民衆の苦しみに寄り添い、その救済に尽力した人物として後世に語り継がれるべき存在です。


参考文献

* 『明史』巻159 列伝第47

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