電動モビリティシステム専門職大学

電動モビリティシステム専門職大学について

電動モビリティシステム専門職大学（PUEMS）は、山形県置賜郡飯豊町に本部を置く私立の専門職大学です。2023年4月に開学し、電気自動車（EV）や自動運転技術に特化した教育を行っています。大学は学校法人赤門学院によって運営されており、その設立には多くの準備が必要でした。特に、2021年4月に短期大学として開学を目指しましたが、文部科学省への認可申請を2度取り下げたり、教育課程を変更するなどの経緯を経て、2022年8月にようやく設置の認可を受けました。

学長と教育理念

学長には慶応大学の名誉教授であり、エリーカの開発に関わった清水浩氏が就任しています。清水氏は「電気自動車の普及によって新しい技術者の雇用が生まれるため、未来のパイオニアを育てていく」とのビジョンを掲げています。これにより、学生たちは未来の需要に応えるための専門的な知識を身につけることができます。

教育プログラム

大学のカリキュラムは、専門4分野に焦点を当てています。「電池」「モーター・インバータ」「車体」「自動運転」のそれぞれに関する科目が設けられ、特に化学、電気工学、機械工学、情報工学が必修科目となっています。また、大学では一般教養課程が廃止されており、1年生から研究室に入ることが可能です。これにより、学生は早い段階から実践的な学びに取り組むことができます。

初年度の定員は40名です。新しい教育モデルを採用し、専門的な知識と技術を持つ人材を育成することを目指しています。さらに、初年度の入学者数は3名で、将来的にはより多くの学生を受け入れる計画があります。

ロゴと名誉講師

大学のロゴマークは、著名なデザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロによってデザインされました。さらに、彼の長男であるファブリツィオ・ジウジアーロも非常勤講師として勤務しています。このように、名門出身の専門家たちが指導陣に名を連ね、学生に良質な教育を提供しています。

過去の選抜試験と入学状況

大学設立以来、入学者数は思ったほど伸びておらず、選抜試験の結果も振るわない状況が続いています。初めての選抜試験では受験者が存在せず、2023年の一般選抜では3名、さらに追加選抜で2名が合格しました。今年の入学式では、初年度の入学者がわずか3名という結果になりました。

2024年度には40名の定員に対し、2名しか入学者がいない厳しい現状が続いています。これを受けて、大学は2025年度に向けて全ての学生募集を停止することを発表しました。この決定は、志願者数の不足が続き、他の法人への経営移譲も奮わなかったことが背景にあります。しかし、在校生に対しては卒業まで教育を続け、進路支援を行う方針です。地域に大学を誘致した飯豊町では、今後の対応を検討する意向を示しています。

アクセス

大学のアクセスは、JR東日本米坂線の萩生駅から車で約5分、徒歩では約25分の距離にあります。また、JR東日本の奥羽本線や山形新幹線の赤湯駅からは車で約25分、さらに東北中央自動車道南陽高畠インターチェンジから約30分の距離となっています。こうした利便性も学生にとって大事な要素です。

結論

電動モビリティシステム専門職大学は、日本における電気自動車と自動運転の専門教育を提供する新しい教育機関です。これからの技術者を育成するための基盤を確立しようとしているものの、募集状況は厳しく、今後の展望が課題となっています。

もう一度検索