霞ヶ丘町

霞ヶ丘町について

霞ヶ丘町（かすみがおかまち）は、東京都新宿区に位置する町名です。住居表示が実施されている地域で、丁目を持たない独立した町名です。最南部に位置し、明治神宮外苑に広く覆われているのが特徴です。

地理的位置

霞ヶ丘町は新宿区の南端にあり、明治神宮外苑が大部分を占めています。北側はJR中央線の線路を挟んで新宿区大京町及び信濃町と接し、北東方面には南元町が位置しています。東側及び南側は、明治神宮外苑内で港区との境界に接しており、港区北青山とも隣接しています。西側は渋谷区の神宮前や千駄ヶ谷と接しています。町域のほとんどは公園や競技場が占めており、国立競技場や明治神宮野球場、聖徳記念絵画館などの重要な施設が存在します。ただし、外苑の南部にある秩父宮ラグビー場や銀杏並木周辺は港区北青山の区域となっています。

都営霞ヶ丘アパートの歴史

町域の南西にはかつて都営団地の「都営霞ヶ丘アパート」があり、地域住民のほとんどがこの団地の住民でした。1946年に100戸の長屋形式の都営住宅として建設され、その後東京オリンピックに向けて大規模な建て替えが行われました。新しい団地は全10棟、約300戸が用意され、多くの住民は1964年のオリンピックに合わせて入居しました。

しかし、2014年7月に国立競技場の建設による用地の拡張が決まり、都営霞ヶ丘アパートの取り壊しが発表されました。新宿区と渋谷区に新たな都営アパートが用意され、2014年10月には移転先が抽選で決定されましたが、多くの住民はその決定に反発しました。古くからの住民は「終の棲家」を奪われる危機感を持ち、地域コミュニティの崩壊を恐れたためです。

住民運動も起こり、「霞ヶ丘アパートを考える会」などのグループが設立され、多くの要望書が東京都に提出されましたが、残念ながら行政の決定は覆らず、アパートは解体されました。これにより霞ヶ丘町の住民登録はほぼ消滅し、町会は2016年に解散に至りました。興味深いことに、当該地はかつて兵舎が存在しており、その痕跡が残る部分もあります。解体された後の跡地は、オリンピック終了後に「明治公園」として整備される予定となっています。

町名の変遷と歴史

霞ヶ丘町はかつて「霞岳町」と呼ばれていました。2003年に住居表示が実施された際、それに伴って町名が改称されました。旧霞岳町のほぼ全域が新しい町名に移行し、以前の町名の痕跡は数少なくなりました。

町名の変遷をたどると、江戸時代には武士の住まいがあった地域であり、明治時代に入ると甲賀町や千駄ヶ谷村、四谷区の一部となっていきました。1930年代には霞ヶ岳町と改名され、1947年には新宿区の一部として正式に存続しています。

現在は小中学校の学区が設定されており、地域とその周辺の教育機関として新宿区立四谷第六小学校と四谷中学校が指定されています。霞ヶ丘町を含むこの地域は、今後の発展に注目が集まっている場所でもあります。

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