霧島一博

霧島一博（きりしま かずひろ）について

霧島一博は1959年4月生まれ、鹿児島県出身の元大相撲力士である。本名は吉永一美で、井筒部屋に所属していた。彼は最高位の東大関に昇進し、身長187センチ、体重132キロの恵まれた体格を活かし、主に左四つや寄り、吊り技を得意としていた。現在は年寄・陸奥として後進の指導に努めている。

幼少期と相撲との出会い

農家に生まれた霧島は、幼少期から体力を鍛えることが好きだった。小学生の時から奇抜な方法で体を鍛え、中学生時には柔道で二段を取得する。そんな彼の元に君ヶ濱親方が訪れ、相撲を始めるよう勧誘されるが、最初は拒否。しかし母の後押しもあって、最終的には中学卒業後に君ヶ濱部屋に入門することとなった。

初土俵からの道のり

霧島は1975年に本名で初土俵を踏み、次第にその名前を「霧島」に改名した。筋肉を鍛えるためにウェイトトレーニングや高蛋白質の食事を取り入れ、強靭な体を形成。出世には苦労したが、1984年に新入幕を果たし、翌年には三賞も受賞した。

大関昇進と幕内初優勝

1989年の小結昇進をきっかけに、徹底的な肉体改造に取り組んだ霧島は、1990年に横綱千代の富士を下すなどの活躍を見せ、1991年には念願の幕内初優勝を果たした。この時、彼は初土俵からの最長記録を更新し、日本相撲界に名を残すこととなった。

大関からの苦悩

しかし、1992年から肘の怪我に悩まされ、成績が落ち込み始める。大関としての責任も果たすべく奮闘するも、1993年には大関から関脇へ陥落。傷を抱えながらも幕内での存在感を保ち続けたが、やがて体力の衰えが目立つようになった。

引退後の活動

1996年、霧島は36歳で引退を決意し、以降は井筒部屋で親方として活動を開始。2000年には部屋を吸収し、若い力士の育成に努めている。2010年からは日本相撲協会の理事を務め、様々な役職を歴任しながら相撲界の発展に寄与した。

霧島のエピソード

彼は「和製ヘラクレス」と呼ばれるほどの肉体を誇り、スポーツ科学に基づいたトレーニングを取り入れることで相撲界に新たな風をもたらした。また、『踏まれた麦は強くなる』という著書を執筆し、相撲界の貴重な記録を残している。この本は海外でも評価され、日本文化を広める一助となった。

まとめ

霧島一博は元大相撲力士としての華々しいキャリアだけでなく、引退後も親方として相撲界に貢献し続ける存在である。彼の成し遂げたことは、力士たちに勇気を与え、また未来の世代へと引き継がれるべき貴重な足跡となっている。

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