霰 (朝潮型駆逐艦)

駆逐艦霰の概要

霰（あられ）は、大日本帝国海軍に所属する駆逐艦であり、朝潮型の最終艦として1939年に竣工しました。霰は過去に春雨型駆逐艦「霰」が存在したことから二代目の名称を受け継ぎましたが、その任務を果たすために建造された背景には、艦船の性能向上が求められた時代の流れがあったのです。

朝潮型駆逐艦は速度や航続距離で難点を抱えていたため、霰が最後の建造となりました。これ以降は新型の陽炎型駆逐艦が造船され、海軍の編成も変わっていきました。

建造から運用までの歴史

霰の建造は1936年12月に始まり、1937年3月に起工、同年11月に進水。艤装員長として大原利通少佐が任命され、1939年に初代駆逐艦長に就任しました。竣工後、霰は活発な運用に入ります。特に第二艦隊との連携により、重要な海戦に参加しました。

1940年には紀元二千六百年特別観艦式にも出席し、その後の作戦でも駆逐艦霰はなくてはならない存在となっていきました。1941年には真珠湾攻撃に関する任務にも参加し、激戦が繰り広げられる中、霰は重要な役割を担っていました。

沈没の経緯

1942年7月5日、霰は日本のキスカ島沖で、米潜水艦「グロウラー」の攻撃を受けました。霰は濃霧のため目視の情報が錯綜する中、敵潜水艦に狙われるという不運に見舞われました。魚雷の襲撃により艦は深刻な損害を受け、最終的には沈没することとなります。この事件では104名の乗員が戦死し、霰は海に消えていきました。

沈没後の発見

2006年8月には、米潜水艦の捜索チームによって霰が水深100mで発見されました。艦の状況は艦橋が艦尾側に重なり、左側がV字に折れた状態で沈んでいることが確認されました。その様子から、霰が最後の抵抗を試みていたことが裏付けられます。艦首側は約170度回転して沈んでおり、艦の精鋭ぶりが感じられる瞬間でもありました。

結論

霰の歴史は、帝国海軍の緊迫した時代を反映したものです。艦は数々の戦闘に参加し、最後には悲劇的な形で幕を閉じました。その活動は、当時の海軍の力強さと脆弱さの両面を示しており、今なお多くの人に語り継がれることでしょう。霰は日本の駆逐艦史において重要な存在であり続けるのです。

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