青塚古墳 (観音寺市)

青塚古墳について

青塚古墳（あおづかこふん）は香川県観音寺市に存在する、古墳時代中期に築かれた帆立貝形の古墳です。この古墳は観音寺市の原町に位置し、歴史的な価値を持つ文化財として注目されています。推定では、青塚古墳は5世紀中葉に建造されたとされ、その主軸の長さは約60メートルに達するものとされています。

古墳の形状と構造

青塚古墳は帆立貝に似た独特な形状をしており、周囲には周濠の跡も見られます。ただし、古墳の前方部は消失しており、現在確認できるのは径約43メートルの後円部のみです。このように部分的に残る姿からも、長い年月を経て自然や人間の手による影響を受けていることがわかります。

内部には埋葬施設として竪穴式石室が設けられており、その中には刳抜式の舟形石棺が置かれています。この舟形石棺は造りが非常に特徴的で、阿蘇地方から運ばれた溶結凝灰岩が使用されています。この石棺の材質は、青塚古墳以外でも、市内の堂本町にある円墳の丸山古墳でも確認されており、同じく阿蘇の凝灰岩が使われています。

市指定史跡

青塚古墳は1970年3月12日に旧観音寺市の史跡として指定されました。その後、2005年の合併により新しい観音寺市が設立された際も、市指定史跡としての地位を保持しています。現在、青塚古墳は厳島神社が管理しており、墳丘の前には鳥居が立てられているため、その周囲は神聖な地域として大切にされています。

また、この古墳は周辺の歴史的背景や文化の研究にも寄与しており、特に5世紀後半に築かれた高松市の御厨天神社古墳においても、帆立貝形の特徴が確認されています。これにより、地域における古墳の型式の流行や、それに伴う文化の展開についての理解が深まっています。

関連情報

青塚古墳はその独特な形状や埋葬様式から、考古学的な関心が寄せられています。舟形石棺や帆立貝形古墳は、今後の研究が進むことでさらなる発見や理解が深まることでしょう。また、観音寺市役所のウェブサイトでは市指定文化財の詳細な情報が提供されており、さらに高松市御厨天神社古墳に対する徳島文理大学の測量調査結果も公開されています。これらの資料を通じて、青塚古墳およびその関連する文化の重要性を理解することができるでしょう。

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