青島 (運送艦)

青島（せいとう/せいたう）

青島は、日本海軍に所属する運送艦であり、その艦名は前身だったドイツの貨物船に由来しています。この貨物船は中国山東省の「青島港」で自沈したもので、第一次世界大戦での日本のドイツに対する戦争行動の結果として生まれました。

船の起源と歴史

青島は元々、ドイツのフレンスブルク社が建造した貨物船「デュレンダルト（Durendart）」として知られていました。1914年11月7日、青島を攻略した日本海軍によって捕獲され、その後浮揚されました。そして1915年8月23日に「青島」と名付けられ、運送艦に分類されたのです。その際、艦には給糧設備や給炭設備が整備されました。

1920年4月1日には特務艦（運送艦）としての地位を得ました。この艦は主に、第一次世界大戦中の青島方面への物資輸送や、1918年にウラジオストクへの軍需品輸送など、重要な輸送任務に従事しました。また、1930年には砲艦「小鷹」を日本から上海まで輸送する任務も引き受けました。

当初、大型の貨物船である青島は大変高い利用価値を持っていましたが、技術的な問題としてボイラーの不具合に悩まされました。このような状況にもかかわらず、青島はその任務を全うし続けました。

除籍と最期

1936年4月1日、青島は除籍され、翌年の1937年1月22日に「廃艦第8号」として新たに命名されました。その後、1939年4月30日に空母の主砲射撃の的として使用され、土佐沖で撃沈処分されました。このように、青島の艦歴は時代の変遷と共に多くの出来事に彩られたものでした。

艦型と技術的特徴

青島は1924年当時、無線通信機器としてM式三号三吉送信機、七年式受信機、さらに一一式増音機を備えていました。これにより、通信能力が向上し、任務をより効果的に遂行することが可能となっていました。

また、同時期の運送艦としての能力は非常に優れていました。具体的には、補給用の石炭を約4,695トン搭載でき、清水も自艦用として210トン、飲料水が256トン、さらに補給用の清水として660トンが保持可能でした。冷蔵庫の容積は肉類4,500貫、野菜3,000貫を収容でき、製氷機も6台装備していました。

搭載装備として、前檣には15トンのデリックと複数の揚貨機、後檣にも同様の装置が設けられており、物資の搬出入を効率的に行うための工夫がされています。

指揮官と艦長

青島の艦歴の中で、多くの指揮官と特務艦長が艦を指揮しました。1916年から1936年の間にかけて、数名の中佐が艦の指揮を執りました。特務艦長に就任していた艦長たちは、それぞれの時期において艦の運営を担当し、青島の艦戦歴に貢献してきました。

結論

青島は、その名の通り、第一次世界大戦という重要な歴史の中で多くの役割を果たした艦船でした。不調なボイラーに悩みながらも、その運送艦としてのメリットを最大限に活かし、戦争の時代における物資輸送の要として君臨しました。最終的にその運命を終えた青島ですが、その存在は日本海軍における運送艦の一つとして、歴史に名を刻むこととなったのです。

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