青島広志

青島広志：音楽の多面体を彩る作曲家

青島広志氏は、1955年生まれの日本の作曲家です。東京芸術大学、同大学院修士課程を首席で修了するなど、高い音楽性を持ち合わせています。池内友次郎氏、宍戸睦郎氏、矢代秋雄氏、林光氏といった著名な音楽家に師事し、洗練された音楽表現を磨いてきました。

彼の活動は作曲にとどまりません。編曲家、ピアニスト、指揮者としてだけでなく、司会者、イラストレーター、そして少女漫画研究家としても活躍する稀有なマルチタレントです。その幅広い才能は、音楽表現の多様性と深みに繋がっています。

輝かしい受賞歴と教育活動

青島氏は、1978年と1983年に笹川賞創作曲コンクール合唱部門で1位を獲得するなど、早くからその才能を高く評価されてきました。さらに、東京芸術大学講師、洗足学園音楽大学客員教授、東京都立芸術高等学校講師、都留文科大学講師（元）などを歴任し、後進の育成にも尽力しています。東京室内歌劇場運営委員、日本現代音楽協会、作曲協議会会員としての活動も行っており、日本の音楽界に多大な貢献を果たしています。

多彩な作品群

青島氏の作品は、合唱曲、歌曲、管弦楽曲と多岐に渡り、それぞれに高い評価を得ています。代表的な作品として、混声合唱組曲『マザーグースの歌』、ア・カペラ男声合唱とナレーターのための『ギルガメシュ叙事詩』、管弦楽曲『イソップ動物記』、『モチモチの木』などが挙げられます。特にNHK全国学校音楽コンクールでは、高等学校の部課題曲『青春のノートブック』、中学校の部課題曲『トマトの夕焼けスープ』を作曲し、多くの学生に親しまれています。

オペラ作品も充実しており、『黄金の国』（第13回佐川吉男音楽賞受賞）、『火の鳥 黎明編』、『火の鳥 ヤマト編』、『黒蜥蜴』、『龍の雨』、『サド侯爵夫人』など、多様な題材と表現方法で多くの作品を発表しています。その他、オペレッタ、マンドリンオーケストラ作品、ピアノ作品、吹奏楽作品なども手がけ、その創作意欲は尽きることがありません。

音楽への情熱を伝える執筆活動

作曲活動以外に、青島氏は数多くの著書も出版しています。楽典、作曲技法に関する専門書から、音楽史、作曲家の紹介、音楽鑑賞のための指南書まで、その内容は多岐に渡ります。彼の著作は、音楽を深く理解し、より楽しむための貴重な情報源として、多くの読者から支持されています。分かりやすい解説と、時にユーモラスな語り口で、音楽への情熱を伝えています。

メディア出演とその他

テレビ番組『題名のない音楽会』、『ゆかいなコンサート』、『ソロモン流』、『チューボーですよ!』、『世界一受けたい授業』、『タモリ倶楽部』など数多くの番組に出演。ラジオ番組への出演や、講演会などでも活躍しています。全日空61便ハイジャック事件では、同便に搭乗していたというエピソードも知られています。

まとめ

青島広志氏は、作曲家としての卓越した才能と、多様な分野における活動を通じて、音楽の面白さ、奥深さを多くの人に伝えています。彼の幅広い活動は、これからも音楽界に大きな影響を与え続けることでしょう。

もう一度検索