青嵐会

青嵐会（せいらんかい）について

青嵐会は、1973年7月17日に自由民主党の若手議員31名が結成した保守派の政策集団です。設立当初、自由社会の維持や外交における自由主義国家との連携、国民道徳の高揚を目的としていました。また、社会正義の確立と国防意識の向上を訴え、自主独立の憲法の制定を目指すことを表明しています。

趣意と理念

青嵐会の理念には、物質主義の風潮を戒め、教育の正常化を進め、そして勤労を重んじ、困窮している人々に思いやりをもって接することが含まれています。また、富の偏在を是正し、不労所得を排除する姿勢が強調されています。

平和の概念については、「平和は自らで守るもの」との認識に基づき、国民に国防と治安に関する意識を促し、この問題に取り組むことが重要視されています。さらには、新たな歴史において、日本民族の真の自由、安全、繁栄を目指し、自主独立の憲法制定についても強い考えを持っています。これは、官僚的体質や妥協の姿勢を排除することで、新しい日本を築こうとする強い意志から来ています。

設立の背景

1973年7月10日、青嵐会の結団式は東京のホテルニューオータニで盛大に行われました。石原慎太郎の発案により、会の名前は「青嵐」と名付けられ、これは乱れる政界に清新な風を送るという意味が込められています。生死を賭して理念を実践するという強い決意も込められています。この時、各メンバーは血判状を捺し、強い絆を結びました。

国際政治への影響

青嵐会は中華民国（台湾）を支持する立場を取り、当時の内閣総理大臣田中角栄による日中国交正常化に対して強く反発しました。1973年9月には「中華民国断絶1周年訪問団」を結成し、台北市を訪問するなど、その姿勢を一貫して守りました。また、自民党議員の北朝鮮訪問には物理的に阻止する態度を示し、冷戦下における西側諸国との協力強化を説いていたため、韓国の政権とも良好な関係を築いていました。特に中川一郎は、早くから韓国に接触し、親交を深めていました。

議会内のダイナミクス

青嵐会は結成後すぐに人気を博し、多くの集会を重ねていく中で、マスコミから「自民党の右翼集団」という批判も受けました。このため、内部では様々な意見が渦巻き、特に憲法問題に関しては、昭和憲法の効果や自衛隊の役割に対する議論が活発になりました。

青嵐会には地方出身の議員が多かったため、国土開発政策においても政府主導の開発を志向する声が強かったことが特徴でした。

結束と分裂

結成から間もなく、異なる意見が生じたことで青嵐会内では脱退者が出始めました。1978年の福田内閣期に日中平和友好条約が提案されると、内部での意見対立は一層顕著になり、最終的に会は分裂の道を歩むこととなりました。1980年には最終的な解散が決定され、青嵐会はその物語を終えました。結成から消滅まで、多くの政治的な影響を与えた青嵐会は、当時の日本の政治情勢において重要な役割を果たしていました。

もう一度検索