青木正久

青木正久：ジャーナリストから環境大臣へ、そして政界引退まで

青木正久（1923年1月22日 - 2001年8月6日）は、日本の政治家として、昭和から平成にかけて活躍しました。環境庁長官、衆議院議員（7期）を歴任し、自由民主党に所属していました。彼の父は自治庁長官を務めた青木正であり、政治家一家に生まれたと言えるでしょう。

東京新聞社でのキャリアと政界への転身

埼玉県出身の青木は、東京大学法学部卒業後、1947年に東京新聞社に入社します。ロンドン支局長、ニューヨーク支局長、政治部長、編集局長など要職を歴任し、ジャーナリストとして確固たる地位を築きました。長年にわたる報道経験は、後の政治活動においても大きな財産となったことは間違いありません。1966年に東京新聞社を退社し、翌1967年の衆議院選挙に旧埼玉4区から出馬、父の地盤を継いで初当選を果たします。

政治家としての活動と環境問題への貢献

衆議院議員としては、自民党内では中曽根康弘派、その後渡辺美智雄派に所属し、党内での活動にも積極的に関わりました。1988年12月には、竹下改造内閣において環境庁長官に就任。初入閣を果たし、翌年6月まで務めました。環境庁長官在任中は、日本の環境政策に大きな影響を与えたと考えられます。環境庁長官退任後、地球環境問題は青木にとってライフワークとなりました。1992年には、環境と開発に関する国際連合会議（地球サミット）に参加するなど、国際的な舞台でも活躍しました。同年発足した地球環境行動会議では事務総局長を務め、日本の環境問題への取り組みを推進しました。

選挙と政界引退

しかし、1993年の衆議院選挙では落選を経験します。小選挙区比例代表並立制導入後の1996年衆院選では、当初は埼玉13区からの出馬を予定していましたが、選挙直前に土屋義彦埼玉県知事の次女の出馬表明により、自民党公認候補としての当選が困難と判断、出馬を断念することになります。比例区からの立候補も検討されましたが、当選圏内の順位を得られず、結果的にこの選挙では不出馬となりました。同年、勲一等瑞宝章を受章しています。

その後も国政復帰を志し、後援会も維持していました。1999年の統一地方選挙では、長年自身の秘書を務めた鈴木聖二氏の埼玉県議会議員選挙への立候補を支援し、鈴木氏の初当選に貢献しました。青木自身は後援会を鈴木氏に託し、政界から引退します。

地球環境問題への継続的な取り組みと死去

政界引退後も、青木は地球環境問題に関する著作を発表するなど、精力的に活動しました。多くの著書を通じて、環境問題への関心を高めることに尽力しました。2001年8月6日、心不全のため78歳で死去しました。

青木正久の功績

青木正久は、ジャーナリストとしての経験を活かし、政治家として活躍しました。特に環境問題への取り組みは高く評価され、日本の環境政策に貢献しました。彼の活動は、日本の環境問題への意識向上に大きく寄与したと言えるでしょう。また、選挙における戦略や、後進への育成など、政治家としての様々な面で多くの示唆を与えてくれました。

著書一覧

『薔薇 : バラの文化史』（作品社、1956年）
『これからのバラ作り』（誠文堂新光社、1959年）
『海外特派員』（角川書店、1959年）
『世界バラの旅』（社会思想社〈現代教養文庫〉、1962年）
『薔薇物語』（光和堂、1965年）
『世界のバラ』（海南書房、1971年）
『魔女のガウン 地球環境物語』（ぎょうせい、1994年）
『国会議員のふつうの生活』（文藝春秋、1994年）

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