青梅鉄道1号形電気機関車

青梅鉄道1号形電気機関車について

青梅鉄道1号形電気機関車は、イギリスのイングリッシュ・エレクトリック社が製造した直流用の電気機関車で、青梅電気鉄道（現在のJR東日本青梅線の一部）の重要な車両として1926年から1929年にかけて新たに作られました。この機関車は青梅鉄道が国有化されたことを受けて国鉄籍に編入され、後には西武鉄道のE41形としても活躍しました。1987年にこの形式が全て廃車されるまで、さまざまな運用を経て多くの心に残る存在となりました。

製造背景

青梅鉄道が最初に青梅1号形機関車の製造を始めたのは1926年10月です。その後、1927年11月、1929年10月にも続けて4両が製造されました。この機関車は鉄道省のED51形と同じデッカースタイルで、1号形と2号形に分けられています。重さや細部の違いから異なる形式が設定され、デッキ付きの箱形車体は、運転席の扉が左側にオフセットされている特異なデザインが特徴です。また、機器室は中央に配置されることで左右の非対称性も際立っており、その設計はED51形の影響を受けたものとされます。

技術的な特徴

この機関車に搭載されている主電動機は、出力が97kWから127kWに引き上げられたDK-127型で、台車は固定揺れ枕板式の2軸ボギー台車です。集電装置には菱形パンタグラフが使用され、当初は1基装備でしたが、後のモデルでは2基の装備が一般的になりました。これらの技術的改良によって、運行性能や安定性が向上しました。

運用と国鉄編入

青梅電気鉄道から国鉄へと移行する中で、これらの電気機関車はさまざまな形で貨物輸送に関与しました。第二次世界大戦中の1944年には国鉄によって買収され、それ以降も青梅線や南武線で使用されることとなりました。形式番号も引き継がれたものの、最終的には西武鉄道に譲渡される運命を辿りました。

西武鉄道への譲渡と末路

1949年から1950年にかけて、元の国鉄番号が西武鉄道のE41形へと再編成されました。これらは西武鉄道の池袋線で活躍し続けましたが、老朽化のために1976年から1987年にかけて順次廃車されました。最終的にE41形は形式消滅を迎えることとなり、E44はその後JR貨物へ譲渡されたことで、新たな役目を担うこととなりました。

現在の状況

廃車後もE43は横瀬車両基地に保存されており、その姿が一般公開されることがあります。一方、E44は静態保存されており、鉄道ファンや歴史愛好者にとって、貴重な遺産として価値を持ち続けています。今後もこの機関車の歴史は、多くの人々の心に残り続けることでしょう。

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